1997 Fiscal Year Annual Research Report
相転移を伴う流体運動のカオス理論による普遍的性質の研究
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09740300
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柳田 達雄 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80242262)
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Keywords | カオス / 時空カオス / パターン / 雲 / 相転移 / 流体 |
Research Abstract |
本年度は、気候の基本単位である天気の変化を考えるために、雲の生成と崩壊を議論できるモデルを構築した。そのモデルでは、大気の運動と水の相変化を最小的にとりいれられている。具体的には、大気の運動は浮力による上昇と水の落下によるひきずりによって支配され、温度の時間発展は大気の断熱膨張と相変化によって支配され、相変化の動力学は平衡の状態への緩和で与えられる、とする。これらの反応の組合せを標準的な微分方程式で書くというよりは、むしろ、「過程」を写像してその本質をとりだした形で表現し、その「過程」の結合という形でモデルが構築されている。このモデルを用いてシミュレーションを行ない、底面温度と水分量の変化により幾つかの雲の形状を持つ相(層雲、積雲、乱積雲、層積雲)が存在する事がわかった。これらの相の定量的な特徴付けを雲量の時間変化、雲の境界の長さと雲面積の比やそのゆらぎ、雲内外での速度場の乱れのさ等によって行なった。また、リヤプノフ数(KSエントロピー)により力学的不安定性を調べ、層積雲・乱積雲において不安定性が大きい事がわかった。これらの結果を物理学会、国際会議The 1st Tohwa Univ.Statistical Physics Meeting(東和大学,1997/11/7)やPATTERNS,NON-LINEAR DYNAMICS AND STOCHASTIC BEHAVIOUR IN SPATIALLY EXTENDED,COMPLEX SYSTEMS(ブタペスト,1997/10/26)において口頭発表を行った。また、結果を"Modelling and Characterization of Cloud Dynamics"Phys.Rev.Lett.,78:4297-4301(1997)に掲載された。
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