1997 Fiscal Year Annual Research Report
水棲生物の体表・体形パターンと多様性に関する理論と観測
Project/Area Number |
09740321
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
宇佐見 義之 神奈川大学, 工学部, 助手 (80221802)
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Keywords | 進化 / シミュレーション / 3次元 |
Research Abstract |
本研究においてはまず現生生物の水中での運動性を観察し、これらの様子を力学計算によりコンピューターシミュレーションで解析した。流体中における生物の力学計算は静止座標系から運動体が受ける力を計算し、その力を推進力としてモデル生物をニュートン方程式により運動させる。運動性には独自の進化アルゴリズムを適用し、形態から出現する運動を自発的に生成させる。進化アルゴリズムは運動角のパラメーターを変異、融合させ、運動性が高いものが生き残るという条件を課し集団中の個体を進化させる。 計算の結果、初期条件によって異なる運動様式に進化し、その状態で安定化することがわかった。パラメーターが多い個体の進化を考える場合、一度あるスタイルの運動性に進化しだすと、変異が局所的に起こる為、全く別のスタイルの運動性に途中で進化することは不可能であり、進化の定方向性のような状態が再現される。これは本研究の進化アルゴリズムが、運動性を扱うものであるにもかかわらず、実際の生物進化にみられる一定方向性(一度ある方向に進化しだすとその方向がつきつめられる)を再現していると考えられ極めて興味深い結果が得られた。
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Research Products
(1 results)