1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740340
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
藤井 弘也 大分大学, 教育学部, 助教授 (70218981)
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Keywords | 相転移 / 液晶 / PSPC / モノクロメータ / クラスター / 緩和過程 |
Research Abstract |
購入したヨハンソン型モノクロメータ、既存のPSPC(位置敏感型一次元検出器)を使って回折計を組み上げた。ターゲットをCuに交換し、液晶の小角領域の分解能を上げることにして、テスト試料として今回購入したMBBA液晶の小角、中角のピークを観測した。もう一つの液晶試料であるTBBAは、200℃近傍で液晶状態を持つことから、液晶状態から固体への相転移に伴うクラスター成長の様子を観測する予定である。現在はPSPCに添付されていた既存のデータ採集プログラムを使用しているため、時間積算データのみが観測可能である。コントロール用のライブラリーが添付されていることから、一定時間ごとにデータ採集、転送、保存を繰り返す、時分割測定のプログラム開発が可能である。これを使って、液晶特有の長緩和時間における相転移過程の観測を予定している。現在のところ得られたスペクトルの特徴として、ヨハンソン型モノクロメータがX線を集光するようになっていることから、以前報告した論文のスペクトルよりも半値幅の小さい、分解能高いスペクトルが観測された。また、今回購入したモノクロメータは特注品であり、既製品に比べて、焦点までの距離が長くとってあり、外的条件を与えるための装置を配置するための空間がとれるように工夫されている。来年度には、まず温度を変えるための装置を整備し、さらに電場、磁場等の外部条件を変えるための装置を整備するとともに、時分割データを取得できるようにソフトウェアの開発を行う。
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