1997 Fiscal Year Annual Research Report
近畿北部〜中国地方東部下のアサイスミックスラブ-フィリピン海プレートはどこまで沈み込んでいるか-
Project/Area Number |
09740354
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
澁谷 拓郎 京都大学, 防災研究所, 助手 (70187417)
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Keywords | フィリピン海プレート / 近畿北部〜中国地方東部地域 / アサイスミックスラブ / レシ-バ関数解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は近畿北部〜中国地方東部地域下のアサイスミックスラブを検出することである。遠地地震のP波部分のレシ-バ関数解析により、プレート境界面でのP→S変換波の検出、および観測点下の地震波速度構造の推定を行う。これとは別に当該地域の震源データを調べ、プレートの沈み込みに関係するような地殻より深いところで発生する地震が存在するかどうかを検証する。本年度行った研究の概要は以下の通りである。 1.鳥取県西部の多里と岡山県北部の久米に中周期地震計を設置した。遠地地震の波形を蓄積し、来年度レシ-バ関数解析に用いる。 2.レシ-バ関数インバージョンを2次元モデルに拡張したプログラムを開発した。これにより沈み込むプレートをモデリングすることが可能になった。 3.鳥取観測所で蓄積された震源カタログを丹念に調べ、地殻より深いところで発生する地震の探索を行った。今までのところそのような地震は検出されていない。 近畿〜中国地方の北部には、第四紀火山のフロントがあり、化学組成からそれらのマグマは若いプレートが溶融して発生したと考えられている。このことはフィリピン海プレートがこの地域にまで達していることを示唆するするものである。来年度は、蓄積された遠地地震のレシ-バ関数の解析を精力的に行い、アサイスミックに沈み込むフィリピン海プレートがどこまで達しているかを検証したい。
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