1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740357
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹中 博士 九州大学, 理学部, 助教授 (30253397)
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Keywords | 理論地震記象 / 地震波動 / 遠地地震波形 / 弾性波動論 / 2.5次元 / 震源過程 / 海溝型地震 / イメージング |
Research Abstract |
我国で起きる巨大地震のほとんどは海溝付近を震源としており,海溝付近で起きた中規摸以上の地震の震源過程をできるだけ詳細に精度良く調べることは,地球科学的側面からも防災的側面からも非常に重要である. 現在稼働しているグローバル広帯域地震観測点の数は多く,通常,震源を囲む全方位の遠地波形記録を得ることが可能である. これらの記録を解析することにより震源過程を精度良く推定できることが期待される. 本研究課題の目的は,これら遠地波形記録を用いて震源過程を推定する手法の大幅な改善を図り,海溝型地震の高精度かつ高分解能の震源過程推定を実現することである. 2年間の研究期間の初年度である今年度は,震源過程推定にとって最も重要な「理論地震記象」の研究を行った.その結果高精度かつ効率的な遠地地震波形計算法の開発を行うことができた. 具体的には,2次元的に不均質な構造における3次元地震波動場(以下2.5次元地震波動と呼ぶ)を時間領域で計算する高精度かつ効率的な差分法スキームを開発し,計算コードを作成した. 解くべき支配方程式には,本研究担当者が提出したした2.5次元地震波動を記述する新しい方程式(Takenaka&Kennett,1996)を用い,差分には空間4次精度,時間2次精度のスタガード・グリッド差分を採用した. 理論記象の精度が上がると,重源過程推定の精度だけでなく分解能も向上させることができる. 来年度は,今年度開発した理論地震記象計算法を適用した震源過程のイメージング手法の開発を行っていく予定である.
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