1998 Fiscal Year Annual Research Report
地衡流乱流における秩序渦集団の時間発展に関する理論的研究
Project/Area Number |
09740366
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岩山 隆寛 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (10284598)
|
Keywords | 2次元乱流 / 地衡流乱流 / エネルギースペクトル / 赤外領域 / ベキ則 |
Research Abstract |
本年度は当初浅水方程式の数値計算を行う予定であったが数値計算における技術的問題を解決できなかったために予定を変更して準地衡流渦位方程式の強制乱流実験を行った。 2次元非圧縮流体の強制乱流現象では,エネルギーEとエンストロフィーZの2つの保存量の存在により,エネルギースペクトルE(k)に,2つの慣性領域,E(k)αk^<-5/3>とE(k)αk^<-3>が存在することがよく知られている。さらに,E(k)が最大値をとる波数kよりも低波数側にもベキ的スペクトルE(k)αk^3が存在することが,Basdevant et al.(1978)により予言されている。いっぽう,地球流体力学やプラズマ物理学において興味のあるCharney-Hasegawa-Mima方程式(準地衡流渦位方程式),(∂q)/(∂t)=-J(ψ,q)+D+F,(q≡▽^2ψ一λ^2ψ) (1) ∂t ここでqは渦位7ψは流れ関数,λは系のシステムサイズLとRossbyの変形半径L_Rとの比λ=L/L_R,J(・,・)はJacobian,Dは散逸項.Fは強制項を表す,に従う強制乱流現象でも,λ》1のとき2つの慣性領域E(k)αk^<-11/3>,E(k)αk-5,が存在する。しかしながらこの系の低波数側のスペクトルの幕は未だ導かれていなかった。本年度はこの領域のスペクトルが,E(k)〜k^5であることを理論的に導出し,予備的数値実験により理論の検証を行った。 本年度の研究,およびWatanaba,Fujisaka and Iwayama(1997)の研究によって(1)に従う強制乱流現象におけるエネルギースペクトルの全ての波数域における傾きと時間発展の様子が明らかにできた。
|
Research Products
(1 results)