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1997 Fiscal Year Annual Research Report

熱帯域・雲活動の階層的組織化における内部重力波の役割の解明

Research Project

Project/Area Number 09740370
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

沼口 敦  東京大学, 気候システム研究センター, 助教授 (30237797)

Keywords熱帯気象 / 積雲活動 / 熱帯波動 / 内部重力波 / 階層構造 / スーパークラウドクラスター / 積雲パラメタリゼーション / 数値モデル
Research Abstract

(1)凝結過程を含む簡単な物理過程を用いた2次元大気モデルを用い、西進するクラウドクラスターと東進するスーパークラウドクラスターという階層的な構造を再現した。この過程を詳細に解析することにより、下層の浅い雲活動から深い対流雲に発達し、やがて減衰するという雲活動のライフサイクルが重要であることが判明した。発達の後期において加熱の鉛直分布が対流圏上層に偏ることによって、比較的背の低い内部重力波が励起され、それが伝播することが次の雲活動の誘導をもたらず。この雲活動のライフサイクルの空間、時間スケールが、全体の構造の空間、時間スケールを決定するため、それを的確に表現しうる格子間隔などの状況設定が重要である。特に、複数の鉛直のモードを表現する必要があるため、従来良く行なわれていたような浅水近似によるモデルではこのような力学を表現できないことが確認された。
(2)スーパークラウドクラスターが東進し、クラウドクラスターが西進するという東西非対称性の要因としては、2次元モデルにおいて簡単化して表現される地球回転ベータ効果が重要であると考えられるが、その他に、基本場の鉛直シア-、もしくは風速に依存した地表面蒸発の非一様化によっても、同様な東西非対称性がもたらされることが明らかとなった。このことは、外的な東西非対称性要因がない場合にも、内部構造と包絡構造とが逆方向に進むという構造が存在しうるが、何らかの弱い東西非対称性要因がある場合には、そのどちらかが選択されるということであると考えられる。実際の大気でどの要因がもっとも重要であるかは、3次元のモデルによる今後の検討が必要である。
(3)このようなプロセスの結果を比較的粗い格子のモデルで表現するためには適切な積雲パラメタリゼーションを用いることが重要である。鉛直加熱構造に注目して予備的な検討を行なった結果、雨水の蒸発やダウンドラフトなどに改良の余地があることが示され、その改良を試みた。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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