1997 Fiscal Year Annual Research Report
昼間観測のための中間圏ナトリウムライダー用ファラデーフィルターの開発
Project/Area Number |
09740374
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川原 琢也 信州大学, 工学部, 助手 (40273073)
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Keywords | ファラデー / ゼーマン / ナトリウム / セル |
Research Abstract |
ナトリウム蒸気セルの光軸方向に1800G程度の磁場をかけると、ファラデー回転とゼーマン効果によりナトリウム共鳴線である589nmのみが選択的に透過し、干渉フィルターでは実現できないような狭帯域フィルターを実現する。これがファラデーフィルターである。 今年度の実験では、適切な磁場強度とナトリウムセルの温度の組み合わせから透過プロファイルをシミュレーションより求めた。この結果、磁場強度は1700-1800G程度、セルの温度は200C程度が適当であるとわかった。この結果を基にセルの軸方向に1800Gの均一な磁場をかけるための磁気回路の検討と製作を行い、その特性評価を行った。もっとも単純な円筒形の磁石を用いた磁気回路を考えたが、技術的に磁石を作ることが困難なこと、この構造では円筒の中に磁力線が入り込まないことがわかり結局製作を断念した。最終的に、鉄片の中をくりぬき外側に磁石をつけ、鉄片の内部がN極になるような磁気回路を製作した。同様に内側がS極になる様な磁気回路を製作し、セルの両側に配置することによりセル中心部(半径5mm以内)で1750Gの光軸方向に均一な磁場を作ることができた。また、セルは全体が均一な温度になるように薄型のテープヒーターで加熱しテフロンの保温剤で包むオ-ブンを製作した。このオ-ブンは温度調整が可能である。これで磁気回路は完成したので実際に透過率測定を行う所である。 次年度はこれをライダー受信系に取り付け、実際に狭帯域フィルターとして観測を行っていく。
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