1997 Fiscal Year Annual Research Report
視野角掃引型感度可変低エネルギープラズマ粒子エネルギー分析器の開発
Project/Area Number |
09740375
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
齋藤 義文 宇宙科学研究所, 太陽系プラズマ研究系, 助教授 (30260011)
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Keywords | 宇宙空間プラズマ / 惑星磁気圏 / 人工飛翔体 |
Research Abstract |
本研究では視野角掃引用静電偏向板と感度変更用電極を含む低エネルギープラズマエネルギー分光器の設計、試作、特性計測実験を行うが、2年計画の1年目として計算機を用いた電極の設計、位置検出用アノードの設計を行い更に部分的な特性取得実験も併せて行った。また、来年度の試作モデル全体の特性取得実験に備え、位置検出測定に必要な測定器であるA/D変換器を購入した。 静電偏向板、電極の設計は計算機を用いて荷電粒子の電極間の軌道を予測することによって行った。これには電極に与える電位を境界条件としたラプラスの方程式を解くことによって極板間の電位配置を計算し、様々な方向から様々なエネルギーを持った荷電粒子を極板間に入射してその飛行経路を追跡する必要があったがその結果、電極の最適な形状を求めることができた。設計を行った視野角掃引用静電偏向板は電極間を通過する荷電粒子の回転対称軸に対する入射角度方向を±45度の範囲で変化させることができる。また感度変更用電極は1組2枚のリング状電極で構成され、感度の変更はこれらの二枚の電極に入射粒子と同程度、同極性の電圧を印加することによって行うことができる。 更に本年度はエネルギー分析部である球型静電偏向板の特性取得実験を行った。この球型静電偏向板は90度の偏向角を持ち、視野角掃引用静電偏向板、感度変更用電極と同じ回転対称軸の周りに軸対称である。取得した特性はほぼ設計通りであった。本年度の結果をもとに電極の最適化、試作を更に行い、来年度には試作モデル全体の特性取得実験を行っていきたい。
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