1998 Fiscal Year Annual Research Report
断層活動に伴う花崗岩質岩の変形-変質過程の解明 -野島断層掘削コアを素材として-
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09740381
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田中 秀実 愛媛大学, 理学部, 助手 (40236625)
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Keywords | 断層岩 / 野島断層 / 活断層掘削 / 地質調査所 / 破壊 / 変質 |
Research Abstract |
1995年に発生した兵庫県南部地震の地震断層である野島断層の掘削コア(地質調査所実施)を用いて以下の研究を行なった。このコアは深度約630mで野島断層の中軸帯を置いている。 (1) 野島断層の活動履歴の解明 地質調査所において破砕帯中軸部の250mの区間を切り出し、固定した後、愛媛大学において研磨標本の作成を行なった。標本の組織に認められる切断・重複関係に基いて断層の活動履歴を解析するとともに断層岩柱状図を作成した。また研磨標本は写真撮影しCD-ROMにして公共機関に提供する予定となっている。 (2) 断層岩の変形(破〓)-変質過程の解明 野島断層掘削コアの断層岩類は、破〓作用とそれにひきつづく熱水変質作用が重複して形成されている。それぞれの要素を独立した軸とし、ダイアグラムを作成した(変形-変質ダイアグラム)。このダイアグラムを用いて断層中軸破砕帯中に認められる6つの小剪断帯の傾向を調べた。この結果、上盤制の小剪断帯においては変形-変質作用が同時進行し、田岩-弱変形変質岩-断層角レキ-断層ガウジの変化が認められた。一方、下盤側では、変形または変質のどちらか一方が卓越している。両者の特徴の差は、断層内の上盤と下盤における流体の存在量の差によるものと考えられた。 以上の2点について、現在までに2点の論文にまとめた。
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[Publications] 田中秀実 他: "野島地震断層掘削コア(GSJおよびNIED)に見られる断層岩の産状" 地質学雑誌. 104・6. XIII-XVI (1998)
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[Publications] 田中秀実 他: "野島断層地質調査所コアにおける断層岩区分,分布および変形-変質様式" 地質学雑誌. 72-85 (1999)