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1997 Fiscal Year Annual Research Report

珪酸塩と水蒸気ガスとの反応による含水鉱物形成反応実験

Research Project

Project/Area Number 09740402
Research InstitutionNational Institute of Polar Research

Principal Investigator

今榮 直也  国立極地研究所, 資料系, 助手 (60271037)

Keywordsエンスタタイト / フォルステライト / 水蒸気 / 反応 / 水質変成 / コンドライト / 原始太陽系星雲
Research Abstract

市販の分解容器を利用し、珪酸塩鉱物と水蒸気との反応実験を行った。この装置を利用すると、最も含水鉱物形成反応が起きやすいと考えられる領域で実験を行うことができる。実験温度の230℃は、実験容器の耐熱温度以下であり、熱力学的に含水鉱物の安定域にあり、水の臨界温度以下である。この温度は、含水鉱物をつくるのに最も適した温度条件と考えられる。時間は数日〜2ヶ月で行った。また、そのときの水蒸気圧は22気圧と見積もられる。実験の出発物質として、フォルステライト単結晶、天然のブロンザイト、およびエンスタタイト単結晶を準備し、それぞれについて実験を行った。
その結果、現在までのところ光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡では生成層は観察されていない。理論的に見積もった速度では、この実験条件では反応は十分に進行すると予想されることから、実験結果は理論と一致しないことがわかった。ここまでの研究成果は、日本鉱物学会(平成9年)で発表した。
次に、顕微鏡では観察されないほどのミクロスケールの薄膜が生成している可能性があるため、何か形成されているか、何も生成していないかを決めるために、含水鉱物に敏感なフーリエ変換型赤外吸収スペクトルで実験回収物を測定した。その結果、エンスタタイト単結晶を用いた実験から明瞭にOH基の伸縮に起因する吸収ピークが見つかった。生成した層の厚みおよび生成相の決定は透過型電子顕微鏡が必要と考えられるが、これは今後の課題である。
以上により、水蒸気との反応ではじめて含水鉱物をつくることに成功した。これまで考えられていた理論により求められた速度は原始太陽系では遅いと考えられているが、実験により、さらに遅くなることが明らかになった。

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Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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