1997 Fiscal Year Annual Research Report
ハフニウム同位体を組み合わせたジルコンU-Pb年代学の新展開
Project/Area Number |
09740405
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 岳史 東京工業大学, 理学部, 助手 (10251612)
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Keywords | ジルコン / ウラン-鉛年代 / ハフニウム同位体 / レーザーサンプリング / ICP質量分析法 |
Research Abstract |
本年度は、レーザー試料導入装置およびICP質量分析計(いずれも東京工業大学既有)を用い、ハフニウムの高精度同位体分析を行うための装置の開発と分析条件の最適化を行った。レーザー発振装置にアクティブ温度制御システムを適用することにより、レーザー出力の長時間安定性を確保し、10ミクロン程度の微小レーザービームを長時間安定して作り出すことが可能となった。また、分析領域の微小化にともない、ジルコンからサンプリングできるハフニウムの量が少なくなってしまい、その結果、ICP質量分析計の元素検出感度を従来の5〜10倍程度向上させる必要があることがわかった。これに対しては、イオン加速電極の形状に再検討を加えると共に、イオン抽出領域の真空度を1/2〜1/5程度にまで引き下げることにより、質量分析計内でのイオン透過効率を5〜10倍に高めることに成功した。この改造により、分析条件(イオンレンズ電圧、プラズマ状態、分解能、イオンビーム収差など)が従来のものと異なったものとなったが、これについては、本年度購入した超微少量試料導入装置(MCN)を用いることにより最適化することが可能となった。本年度の研究により、ハフニウム濃度の低い一部のジルコンを除けば、太古代のジルコンからハフニウム同位体分析が実行可能なレベルに達した。
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