1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740410
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小林 貴之 日本大学, 文理学部, 助手 (50245396)
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Keywords | マンガン堆積物 / 成長速度 / 加速器質量分析 / ベリリウム10 / アルミニウム26 / トリウム232 |
Research Abstract |
平成9年度の研究実績は以下の通りである。 ・加速器質量分析装置の測定器システムの改造 検出器に関しては共同研究グループで製造され、現在テスト中である。この検出器を用いたオンラインでのデータ収集装置に関しては本補助金を利用して購入し、設置に関しては既に終了した。現在までに開発中のデータ収集ソフトウェアは8割程完成しており、98年6月までにはルーチン測定が可能である。 ・α線スペクトロメトリー測定器の整備 トリウム232測定のためにテスト測定を行っている。実際のサンプルについては今後行う予定である。 ・化学分離の検討 予備実験は終了し、ベリリウムに関しては90%以上、アルミニウムに関しては75%程度の収率が確認できたのでベリリウム測定用試料を作成し測定を開始した。しかしトリウム収率がこれらに比較して良くないため化学操作の改善を検討中である。 以上のように各計画は多少の遅れはあるが着実に進行している。 また実際のマンガン堆積物の成長速度はベリリウム10を加速器質量分析法を用いて太平洋で採取された小型6試料と大型の1試料について測定できた。その結果、最低100mgの試料があれば測定が可能であり、数百mgの試料であれば1時間程度で測定できることがわかった。この結果からマンガン堆積物の成長速度は100万年あたり2.3〜5.6mmという速度であることが推定された。この結果に関しては放射化学討論会などにおいて一部発表を行った。アルミニウム26とトリウム232の測定はまだ行っていないが98年度前半には測定が開始できると考えられる。
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