1997 Fiscal Year Annual Research Report
光励起水銀原子と水素分子との反応によって生成した水素原子の速度・角度分布の測定
Project/Area Number |
09740412
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥西 みさき 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80224161)
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Keywords | 交差分子線 / 化学反応 / ポンプ・プローブ法 / 水銀光増尺反応 |
Research Abstract |
本研究の目的は、253,7nmの光で励起された水銀原子(Hg6^3P_1)と水素分子との反応によって生成する水素原子の速度・角度分布の測定を行い、この反応過程の詳細なダイナミックスに関する議論を行うことにある。実験は交差分子線装置を用いたレーザー・ポンプ・プローブ法で行う。まず、スキマ-により切り出された2つの分子線の交差領域に253.7nmのポンプ光を照射し、励起3重項水銀原子を生成する。これと水素分子の反応によって生成した水素原子を、243.2nmのプローブレーザーによる(2+1)共鳴多光子イオン化法で検出する。光イオン化によって生成したH原子イオンのイオン検出器に到達するまでの飛行時間(TOF)の測定から速度分布を求める。また、生成物の角度分布測定のために、イオン検出器を回転させるための回転ステージを取り付ける。本年度はこの回転可能な飛行時間型運動エネルギー分析器の制作と交差分子線装置を用いた予備実験を行った。このTOF装置の制作は予定より若干遅れており、現在本研究所の機械工場にて制作中であり、5月ごろ完成の予定である。また予備実験として243.2nmの光による水素原子の共鳴多光子イオン化による検出のテスト、および水銀原子線の飛行時間測定による速度分布の測定などを行った。後者では、水銀原子をシ-ドする希ガス原子の種類を変えることでその速度分布を大きく変化させることが可能であることがわかった。このことを利用して、反応過程の相対速度依存性の測定が出来る。
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