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1997 Fiscal Year Annual Research Report

アオコ中の毒性物質ミクロシスチンの紫外線による構造変化に関する研究

Research Project

Project/Area Number 09740428
Research InstitutionShiga University

Principal Investigator

水上 善博  滋賀大学, 教育学部, 助教授 (80222321)

KeywordsミクロシスチンLR / 紫外線照射 / 紫外吸収スペクトル / 経時変化 / 光化学反応
Research Abstract

湖沼の富栄養化にともなってアオコが発生し深刻な環境問題となっている。アオコを形成する藍藻類のミクロキスティスはミクロシスチンという肝臓毒を生成する。ミクロシスチンは太陽光中の紫外線によってAdda(3-amino-9-methoxy-10-phenyl-2,6,8-trimethyl deca-4,6-dienoic acid)部分が異性化し、6(Z)-Addaとなって毒性が消失することが知られている。本研究ではミクロシスチンLRに紫外線ランプ(米・UVP社製UVGL-58)によって紫外線を照射し、ミクロシスチンLRの紫外吸収スペクトルの経時変化の測定を行った。ミクロシスチンLRはメタノール溶媒に溶解し濃度を1×10^<-6>Mとした。波長250nmの紫外線をミクロシスチンLRに照射したところ、ミクロシスチンに特徴的な波長238nmのピークが減少し、時間とともに波長300nmに新しいピークが出現し、それが徐々に増加する傾向が見られた。波長238nmのピークは紫外線照射直後から急激な減少が起こり照射後30分以降は減少が停止し、ほぼ一定の値にとどまった。一方、波長300nmのピークの高さは紫外線照射後30分で最高となり、さらに照射を続けるとピークの高さは減少していった。2時間以上照射すると波長210nm付近に新たなピークが立ち上がり始め、3時間照射で高さは最高になった。この波長210nmのピークは照射を止めて5日間放置したサンプルでも同様に存在した。これは、紫外線照射によってミクロシスチンLRに光化学反応が起こり、それによって生成された安定な生成物によるものと考えられる。このスペクトルはカルボキシル基(-COOH)に特徴的なスペクトルなので、おそらくメタノール溶媒中に溶けている酸素によってミクロシスチンLRのどこかの部位で酸化反応が起こり、カルボキシル基が生じたものと推測される。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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