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1997 Fiscal Year Annual Research Report

溶媒中のフラーレン分子の動的挙動

Research Project

Project/Area Number 09740438
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

矢田 洋子 (三宅 洋子)  東京都立大学, 理学研究科, 助手 (40244412)

Keywords相関時間 / フラーレン / 密度 / 溶液
Research Abstract

今年度の研究において、室温におけるC_<60>の溶媒中の運動の相関時間は溶媒の粘性ではなく溶媒の密度に非常に良い相関があることを見い出した。
[30%-^<13>C]C_<60>の^<13>C-NMRのT_1測定を、9種類の溶媒(CS_2,o-dichlorobenzene,1,2,4-trichlorobenzene,toluene,p-xylene,chlorobenzene,benzene-d_6,1,1,2,2-tetrachloroethane,cis-Decalin,trans-Decalin)中,室温にて二つの異なる磁場強度で行い、その差から、緩和のうちケミカルシフト異方性による緩和の寄与(T_<1(CSA)>)のみを取り出し、運動の相関時間でτ_cを算出した。観測されたC_<60>の運動の相関時間は粘性を含む溶媒の様々な物性値のうち、密度のみによい相関があることがわかった。混合溶媒中での測定も行い、C_<60>の運動の相関時間が溶媒の密度にほぼ比例することを確かめた。この事実は、「相関時間τ_cが溶媒の粘性係数ηに比例する」Debye-Stokes-Einsteinのモデルでは説明できず、「溶質分子と溶媒分子の弾性衝突によって溶質分子の自由回転が妨げられる」Hynes-Kapral-Weinbergのモデル(Enskog-collision theoryからのSlip-Boundarly condition)に近いことがわかった。また、相関時間の値そのものについても、室温ではHynes-Kapral-Weinbergのモデルである程度再現できることがわかった。しかし、温度変化を測定したところ、その温度依存性はHynes-Kapral-Weinbergのモデルそのものでは説明できないことがわかった。

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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