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1998 Fiscal Year Annual Research Report

液相中における反応余剰エネルギーの散逸機構の解明

Research Project

Project/Area Number 09740448
Research InstitutionOkazaki National Research Institutes

Principal Investigator

水谷 泰久  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (60270469)

Keywords振動緩和 / ラマン分光法 / 無輻射遷移
Research Abstract

反応余剰エネルギーの緩和は、液相中での化学反応を理解するうえで非常に重要な過程である。初期の振動励起状態およびそこからの分子内、分子間緩和過程を調べるにはアンチ及トークスラマン線強度が直接的なプローブとなる。われわれはこれまでに、ニッケルオクタエチルポルフィリン(NiOEP)の(d,d)励起状態と一酸化炭素結合形ミオグロビン(MbCO)の光解離状態の2つについて金属ポルフィリンの振動エネルギー緩和を調べた。両者では、ポルフィリン環の構造が非常によく似ているにもかかわらず、ν_4モード(ポルフィリン環の面内振動)の冷却時定数は、それぞれ10psと2psと大きく異なっていた。そこで今回、この差を生む原因を明らかにするために、いくつかのポルフィリン錯体について測定を行い、ポルフィリンの振動冷却速度に影響を与える因子について調べた。差を生み出す原因として、(1)溶媒の種類、(2)ポルフィリン環側鎖の種類、(3)中心金属の種類、(4)軸配位子の有無および種類、の4つが考えられる。いろいろな溶媒中で、ニッケルポルフィリンの緩和を調べたところ、溶媒依存性はほとんどなかった。また、DMSO中で鉄ポルフィリン一酸化炭素錯体の光解離を調べたところ、緩和はMbCOの場合と同様に速かった。これらのことから、蛋白質の効果も含めて、溶媒の効果は小さいと考えられる。次に、NiOEP,FeOEP,NiPPIX,FePPIXの4種類の錯体についても調べたが、冷却速度に違いはほとんどなかった。したがって、(1)-(3)は、問題になっている差を生む原因とはならない。一方で、配位状態については冷却速度に依存性がみられた。すなわち、4配位状態では緩和は遅く、6配位状態では速い。また、同じ5配位状態でも鉄原子の価数あるいは配位子によって差がみられた。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] Yasuhisa Mizutani: "Comment on:“Palaization effects in time resolved incoherent anti-storen Raman spectroscopy"" J.Chem.Phys.109. 9197-9195 (1998)

  • [Publications] Yuki Uesugi et al.: "Photo induced solvent ligation to Nickel(II) octaetuey eporpllyrin probed by picoaecond time-resolved rcsonauce Raman spectroscopy" J.Phys.Chem.A. 102. 5809-5815 (1998)

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

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