1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740463
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大森 健 東京工業大学, 理学部, 助手 (50282819)
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Keywords | プラジミシン / 糖鎖結合性物質 / ヨウ化サマリウム / 抗HIV活性 / ピナコール生成反応 |
Research Abstract |
プラジミシン類はActinomadurahibiscaより単離されたベンゾ[a]ナフタセンキノン骨格を有する化合物群であり、抗真菌、抗HIV活性を示す。本研究では、この化合物群の多環芳香族を介しアミノ酸と糖鎖とが結合した特徴的構造と生理活性に興味を持ち、全合成研究を計画した。 平成9年度の研究において、プラジミシン類の五環性骨格の鍵構造を成すB環部のトランスジオールの構築法として、ジアルデヒドのピナコール生成反応が有効であることを見出した。すなわち、ジアルデヒドに対しSmI_2を作用させると対応するジオールを与え、その立体化学はトランスのみであることが分った。続いてこの反応の立体的側面について議論し、全合成に向けた検討を行った。ABC環部の構築のモデル基質として用いたオルト位が全て置換されたビフェニル構造を有するジアルデヒド誘導体は、アトロプ鏡像体を分割することが可能である。光学分割したP体およびM体のジアルデヒドをSmI_2を用いた環化の条件に付すと、それぞれ光学的に純粋なトランスジオールを与えることが判明した。すなわち、反応を通じて軸不斉を二つの中心不斉へと転写できることが分った。 この知見をもとに、上記の反応を利用して実際にプラジミシンのB環部のトランスジオールの構築に成功した。次に、得られた合成中間体を用いてさらに検討を行った結果、十数工程の変換を経て、プラジミシノンを合成することに初めて成功した。
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