1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740463
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大森 健 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50282819)
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Keywords | プラジミシン / 糖鎖結合性物質 / ヨウ化サマリウム / ピナコール生成反応 |
Research Abstract |
プラジミシン類はActinomadura hibiscaより単離された化合物群であり、抗真菌、抗HIV活性を示す。その化学構造は、母核となるベンゾ[a]ナフタセンキノン骨格にアミノ酸、および糖が結合した構造を持つ。本研究では、この特徴的な構造と生理活性に興味を持ち、これらの合成研究を行った。 本研究において、鍵となるフェナントレンジオール骨格を立体選択的かつ、立体特異的に構築する有効な手法を見出した。すなわち、芳香族ジアルデヒドに対しSmI_2を作用させると対応するジオールを与え、その立体化学はトランスのみであることが分った。また、アトロプ異性的に純粋な芳香族ジアルデヒドを用いて環化の条件に付すと、それぞれ光学的に純粋なトランスジオールを与えることが判明した。すなわち、反応を通じて軸不斉を二つの中心不斉へと転写できることが明らかとなった。 この知見をもとに、上記の反応を利用して実際に光学的に純粋なプラジミシンのB環部骨格を構築した。さらに検討を加え、効率的なプラジミシノンの合成法を開発した。 続いて、プラジミシン類の構成糖に相当する糖供与体の合成を検討した。その結果、キシロース誘導体、およびトモサミン誘導体を各合成し、それらをグリコシル化することにより目的のフッ素化二糖を合成することができた。さらに、これをアルコール共存下、Cp_2HfCl_2-AgClO_4複合活性化剤で処理すると円滑に反応が進行し、望みのグリコシル体が得られることが分かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ken Ohmori: "From Axial Chirolity to Central Chiralities:Pinacol Cyclization of 2.2'-Biosydicrbnide-hyde to tions-9,10-Dihydrophenenthrene-9,10-diol" Angew.Chem.Int.Ed Engl.(発表予定).
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[Publications] Mitsuru Kitamura: "Total Synthesis of Pradimicine,the Commun Aglycon of the Pradimicine-Benarumicin Anribiotic" Angew.Chem.Int.Ed Engl.(発表予定).