1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740465
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
加固 昌寛 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (10233678)
|
Keywords | シリコンクラスター / オリゴシラン / オルトキノン / ジシラシクロヘキサジエン / シラシクロペンタジエン |
Research Abstract |
1、まずシリコンクラスターの合成の要となるシリコン-シリコン結合反応について検討した。一次元ケイ素オリゴマーの逐次合成に対し、ケイ素鎖伸長試剤としてリチウム化合物よりもマグネシウム化合物の方が有用であることが示された。これにより各種の任意の鎖長を有する一次元ケイ素オリゴマーを得ることができた。また分岐状オリゴシランも同様の手法で合成だきた。次年度はこれらの化合物を前駆体としてクラスターへの合成へと展開する。 2、またオリゴシラン類の化学的特性を明らかにする目的で電子的供与性の面から考察した。種々のオリゴシラン類とオルトキノン類の光反応を検討したところシリレン部分の授受反応が起こることを見いだした。この反応は励起キノン種によるケイ素原子上へのラジカル置換機構によって引き起こされているものと思われる。同反応を四塩化炭素存在下で行うとクロロシラン類が得られてくることより中間体としてシリルラジカルが生成していることが示唆される。またジケトン類との反応ではシリレン部分とジケトンとの共重合体が得られるという興味深い結果が得られた。 3、シリコン-シリコン結合を含む環状共役系化合物は光励起を経て分子内シリル基の転位により数段階の異性化を起こすことが知られているが、これまでその電子供与体としての性質が明らかにされたことはない。ジシラシクロヘキサジエンをメチレンブルーを電子受容体として用い光照射を行ったところ環縮少が起こりシラシクロペンタジエンが生成した。本反応はシリコン-シリコン結合の解裂、分子内二重結合へのシリル基の付加、およびもう一方のシリル基の脱離を経る機構で進行していることが示された。
|
-
[Publications] Masahiro Kako: "Charge-transfer Complex Formation and Photo-induced Electron-transfer Reaction of Dibenzo-7-silavicyclo〔2.2.1〕hepta-2,5-dienes" Tetrahedron. 53,(4). 1265-1274 (1997)
-
[Publications] Masahiro Kako: "Electron-Transfer Reaction of 1,2-Disila-3,5-cyclohexadienes" Tetrahedron Lett.38,(20). 3525-3528 (1997)
-
[Publications] Takeshi Akasaka: "^<13>C and ^<139>La NMR study of La_2@C_<80>.The first evidence for circular motion of metal atoms in endohedral dimetallofullerene" Angew.Chem.Int.Ed.Engl.36,(15). 1643-1645 (1997)
-
[Publications] Masahiro Kako: "Silacyclopentadienylidene,the first silylene incorporated in a silole ring" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2. (7). 1251-1253 (1997)
-
[Publications] Masahiro Kako: "Photo-induced silylene-transfer reactions of cyclic organosilanes to phenanthraquinone" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(15). 1373-1374 (1997)