1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740466
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤井 孝宜 富山大学, 工学部, 助手 (00283060)
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Keywords | チアザイン / S≡N結合 / 光学活性 / 光学分割 |
Research Abstract |
光学活性チアザイン類の合成及び方法論の確立 代表者等が蓄積したチアザイン合成法を基に新規チアザインラセミ体、S-(4-メチルフェニル)-又はS-(4-クロロフェニル)-S-フェニル-S-メチルチアザイン(1)、(2)及び、S-(2-ナフチル)-S-(4-ニトロフェニル)-S-ピペリノチアザイン(3)を合成し、方法1)チアザイン類の塩基性を利用し、化合物1-3と光学活性の酸((S)-カンファースルホン酸)より形成されるジアステレオマー塩の再結晶法による光学分割、方法2)アシル化速度論的光学分割アルコール、アミン類の光学分割酵素として知られているリパーゼを用いた化合物1-3の速度論的アシル化光学分割、及び方法3)キラルカラムによる化合物1-3の光学分割を試みた。その結果、方法1では、結晶化に問題があり、方法2では立体障害のためアシル化反応が進行せず、目的を達成できなかったが、方法3のダイセル化学工業(株)製キラルカラムODによる化合物2の光学分割に成功した。光学活性体の絶対配置の決定には、X線構造解析が有力な手法であるが、この方法で得られた光学活性体は、結晶性が悪くそれを決定することができなかった。そこで、結晶性の向上及び化合物の多様化を目的とし、チアザインS≡N結合のN原子の官能基化を試みた。その結果、N-アルキル化のみならず、トシル化、アシル化、ニトロ化に成功し、特にN-アシル化誘導体においては、求核剤と作用させると、脱アシル化反応が進行し対応するチアザインを与えた。この結果は、光学活性チアザイン合成に大いに役立つことが分かった。
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