1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740491
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鬼塚 清孝 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10244633)
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Keywords | デンドリマ- / 高分子錯体 / 有機金属錯体 |
Research Abstract |
近年、構造を高度に制御した高分子材料の開発が盛んに行われており、その1つに3次元的な分子構造を考慮して球状もしくは樹状の特徴ある分子形をとるように設計されたデンドリマ-がある。デンドリマ-の特性に有機金属化合物特有の物性や反応性が加わった複合機能の発現が期待される有機金属デンドリマ-は、新しい機能性デンドリマ-として注目されているが、その合成例は限られている。本研究では、遷移金属元素を主鎖骨格中に含む有機金属アセチリドデンドリマ-を合成し、その構造と機能の相関に関する基礎的かつ系統的な知見を得ることを目的としている。 今年度は、主鎖型有機遷移金属アセチリドデンドリマ-の合成法を確立を目指し、まずこれまでの研究を継続して1,3,5-トリエチニルベンゼン誘導体を架橋配位子として第2世代以降の白金アセチリドデンドリマ-の合成について検討を行った。その結果、デンドリマ-の中心から外に向けて成長させる方法であるDivergent法では、保護基を用いずに第2世代白金アセチリドデンドリマ-である白金21核錯体を合成することに成功した。また、外側から中心方向に成長させる方法であるConvergent法による合成も試み、アセチレン保護基にトリメチルシリル基とトリイソプロピルシリル基を導入することにより、比較的容易に第3世代デンドリマ-である白金45核錯体を合成できることを見い出した。さらに、光学活性な有機金属デンドリマ-への展開も考え、その基になる光学活性な有機金属ポリマーの合成についても検討し、軸不斉ジインを架橋配位子とすることにより分子量100,000程度の白金アセチリドポリマーを合成できることもわかった。
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