1997 Fiscal Year Annual Research Report
染料分解活性を有するペルオキシダーゼの活性中心金属に関する研究
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09740502
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
杉森 大助 福井工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (40272695)
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Keywords | 分散染料除去、分解 / Cunninghamella polymorpha Pispek |
Research Abstract |
本研究では、染料分解活性を有するペルオキシダーゼを産生する新規微生物を検索し、そのペルオキシダーゼの染料分解活性、分解様式、基質特異性と活性中心金属の関係を明らかにすることを目的とした。 まず、初年度(平成9年度)に染料分解菌の検索を行った。 1.検索結果 分散染料を含む合成培地ならびに天然培地を用い、さまざまな場所から土壌等を採取し、検索を行った結果、脱色能を有する菌株1株を分離した。同定の結果、本菌はケカビの一種であるCunninghamella polymorpha Pispekと同定された。 2.染料除去能 分離菌株C.polymorphaによる分散染料除去率の測定を行ったところ、アントラキノン、キノリン、アゾ、クマリン、ベンゾジフラノン、メチン系分散染料17種類を24時間で平均52%、120時間で93%の染料を培地から除去する能力があることがわかった。 3.染料分解酵素 C.polymorphaは、数種の分散染料を効率よく培地から除去することが明らかとなった。そこで、現在染料分解活性を調べるとともに分解に関与する酵素の検索を行っている。まず、培養上清を限外濾過により濃縮し、紫外可視分光光度計によりスペクトルの測定を行った。その結果、培養上清にはタンパク質に基づく吸収スペクトルは観察されなかった。さらに、培養上清液および菌体破砕液中の酵素活性を調べる予定である。
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