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1997 Fiscal Year Annual Research Report

高分子の構造形成と機能発現の原理の解明

Research Project

Project/Area Number 09740513
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

安中 雅彦  千葉大学, 工学部, 講師 (40282446)

Keywords高分子ゲル / 分子間相互作用 / 相転移 / 多重相 / 記憶効果 / 中性子散乱 / 水
Research Abstract

(1)ヘテロ高分子ゲルの相転移
高分子ゲルは環境の変化に伴い、その体積を不連続にかつ可逆的に変化させることが知られている。これは微視的には、環境の変化に伴う分子間力の変化により高分子網目が可逆的かつ不連続なfolding及びunfoldingを起こすものと理解されている。これまで高分子ゲルは膨潤・収縮の2つの相をとることは知られていたが、4-Acrylamidesalicylic acid gel,Copoly (methacrylic acid-dimethylacrylamide) gelが膨潤・収縮相以外に「多重相」をとりうることを見いだした。更に、高分子ゲルを構成するモノマー間に働く相互作用が適当な割合で組み合わされヘテロな組成を持つ場合に観測され、分光学的方法により、多重相はゲル内にいくつかの状態が共存している事を見いだした。この多重相はヘテロ高分子であるタンパク質の構造安定相に関係があるものとして考えられる。(論文作成中)
(2)状態を記憶する高分子ゲル
上述の4-Acrylamidesalicylic acid gelが、どのような環境変化の履歴をたどったかにより、とりうる状態(相)を決める「記憶効果」を示すことを見いだした。この「状態記憶効果」が、ゲル内の分子間相互作用、特に水素結合が大きく関与していることを多くの実験結果から示唆された為、水素結合の効果(具体的にはゲル内に形成される水素結合の数)を考慮した平均場理論を構築し、実験結果を定性的に説明できるに至っている。(Jornal of Chemical Physics,およびPhysical Revew Eに投稿中)
(3)中性子散乱による高分子ゲルの微視的構造の観測
「記憶効果」を示すことが確認された4-Acrylamidesalicylic acid gelの各相(状態)における小角中性子散乱を行い(東京大学物性研究所東海村)、ゲルの微視的構造が、ゲルのたどった状態の変化に応じて、変化する事を見いだした。(論文作成中)
(4)高分子ゲル内の水の状態の検討
高分子ゲルの水中での状態の変化には、周囲の水の状態が大きく関与することが考えられる。ラマン散乱、核磁気共鳴法および示差走査熱分析(DSC)を用いて、高分子ゲルの体積相転移に伴う水の状態(特に水素結合により構造化した水の割合)について検討を開始した。
(5)その他
上記研究結果に関連して学会発表10件

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Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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