1998 Fiscal Year Annual Research Report
水素結合性錯体を用いた有機フェリ磁性体の設計と構築
Project/Area Number |
09740514
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
奥野 恒久 和歌山大学, システム工学部, 講師 (50251327)
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Keywords | 有機ラジカル / フェリ磁性体 / 磁気測定 / 分子設計 |
Research Abstract |
前年度の実験結果により、「分子間水素結合型」によりCocrystallizationの技術を狭い範囲ではあるが確立でき、異なる有機ラジカル間の錯形成に成功した。今年度は、スピン多重度の異なる二種類の有機ラジカルによる錯形成を目指し、有機フェリ磁性体を構築すべく、安定な基底三重項分子の設計・合成に取り組んだ。 まずスピン源として、分子磁性の分野で頻繁に用いられる骨格であるニトロニルニトロキシドを選択し、この骨格を二つ有し、かつ水素受容(供与)部位を有する分子の設計を行った。しかしながら、ニトロニルニトロキシド骨格を二つ導入した分子では、スピン電子密度分布が局在しているために、分子間の相互作用が弱く、安定な基底三重項分子とはなり得ないことが判明した。つまりこの場合では、分子内の相互作用と分子間のそれとの区別が難しくなることを意味している。そのため実験計画の修正を余儀なくなされた。修正点としてはスピン源としてニトロニルニトロキシド骨格をあきらめ、よりやや非局在化したスピン電子密度分布を有するt-ブチルニトロキシド骨格を採用した。この結果、最終段階の合成がより複雑になり、現状としては最終段階まで到達していない。しかしながら、設計した分子が安定な基底三重項状態をとることは、計算・文献からも明らかであるし、合成スキーム自体は無理のないものであり、近い将来必ず到達できると考えている。
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[Publications] 大塚岳夫: "Crystal structures and magnetic properties of acid-base molecular completes,(p-pyridyl nitronylnitroxide)_2x(x-hydroquinore,Fumaric acid and spaeric acid)" Journal of Materials Chemistry. 8・5. 1157-1163 (1998)