1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740525
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
青木 百合子 広島大学, 理学部, 助教授 (10211690)
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Keywords | 強磁性体 / 高分子 / NBMO縮重系 / 理論的重合法 |
Research Abstract |
本研究テーマは、有機強磁性に関する分野で、実験家の合成に指針となるルールおよびインデックスを確立し、分子設計のために簡便に使ってもらえるようにすることをねらいとしている。そこで、非結合性軌道(NBMO)を持つ分子間の結合においてなるべく高スピン状態を保ちながら分子をつないでいくための基本的なルールとしてNBMOの星組と非星組の結合を提唱した。それは、NBMO間の混じり合いをなるべく大きくするためであり、その混じり合いのく大きさを示すインデックスとしてLij^<min>という量を定義した。種々の、高スピン分子のとしての可能性をもつ炭化水素系を考え、ヒュッケル法およびab initioで得られたNBMOの軌道係数からLij^<min>を計算したところ、両方法によるLij^<min>は相関関係があることが判明した。そこで、電子相関の効果をとり入れるため、MC-SCF法(一部電子相関を加えた高精度のab initio計算)によってE(三重項)一E(一重項)を求めたところLij^<min>とも対応関係があり、スピン多重度を高精度の計算をすることなく知るためのインデックスとしてLij^<min>が有効であることが明らかとなった。 一方、上記のインデックスをab initio法のレベルで高分子系に適用するため、効率よく高精度で電子状態を知るための高分子の理論的重合法をab initioプログラムパッケージ″gamess″に組み込んだ。水素結合系のクラスターについては、全電子密度が正しく求まるようにはなったが、共有結合系に適用できる段階にはなっていないため、そのまま設計した高スピン高分子に適用するわけにはいかない。そこで今回は、本手法で行っている分子軌道のユニフォーム局在法によって得られた局在化分子軌道を上記のスピン多重度の評価のためのLij^<min>の評価に用いるよう発展させた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Aoki, T.Tada, A.Imamura: "Molecular Orbital Approach to the Poierls Instability in Polyenes and Its Application to Modul Crystals of Change-Ticmsfin Complexes" Int.J.Quantum Chem.64巻. 325-336 (1997)
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[Publications] M.Mitani, Y.Aoki, A.Imamura: "Geometry Optimization of Polymees Elongation Method" Int.J.Quantum Chem.64巻. 301-323 (1997)
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[Publications] A.Imamura and Y.Aoki: "An Elongation method to calculate the elctronic structure of non-periodical and periodical polymers" Advances in Colloid and Interface Science. 71-72巻. 147-164 (1997)
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[Publications] Y.Kurihara, Y.Aoki, A.Imamura: "Calaulations of the ex tation energies of all-trans and 11,12S-dieis retials using localized molecular orbitals datained by the elongation method" j.Chem.Phys.107巻. 3569-3575 (1997)