1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740527
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米澤 徹 九州大学, 工学部, 助手 (90284538)
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Keywords | ナノ粒子 / 金 / 組織化 / 二分子膜 / 高分子電解質 / 量子ドット / 複合材料 / 超微粒子 |
Research Abstract |
金属ナノ粒子として,本研究では金ナノ粒子を選択した.保護剤として3-メルカプトプロピオン酸ナトリウムを用い,クエン酸還元法で調製した金ナノ粒子分散液を濃縮し,その溶液と高分子電解質溶液とに基板を交互に浸積した結果,安定な金ナノ粒子マルチレイヤーの作成に成功した.このマルチレイヤーは,金ナノ粒子の赤色はすでに示さず,金色となり導電性を示し,また,先もある程度透過させる,透明導電薄膜となった. また,保護剤を添加せずにクエン酸還元法によって調製した金ナノ粒子はその濃縮が困難だが,限外ろ過膜を使用することで,常温で濃縮でき,さらに,分散液中に混在するクエン酸イオンなどを除去することも可能である.その分散液に,入れ子型構造単分子膜を形成している両親媒性分子基板を浸積すると,1度の浸積で,ほぼ最密充填の金ナノ粒子モノレイヤーが作成できた.このモノレイヤーも導電性を有し,透明である.静電相互作用でほぼ完璧なナノ粒子モノレイヤーの生成を報告したのはこれが世界で初めてである. さらに,金イオンの還元挙動について,本補助金で購入した光照射用可視吸収スペクトルセルホルダを用いて,光照射時,クエン酸還元時のイオン還元挙動を観察した.その結果,還元挙動を制御することが金ナノ粒子の形状をコントロールするのに重要であることがわかった. また,二分子膜の親水部層間に金イオンを取り込み,その後に還元する手法によっても金ナノ粒子を得ることができるが,この手法では,金ナノ粒子の形状が二分子膜の水中での膨潤状態によって異なり,分散液中による還元では得られにくい,プレート状や,珊瑚状の金ナノ粒子を得ることができた.
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[Publications] Tetsu Yonezawa: "Practical Preparation of Size-Controlled Gold Nanoparticles in Water" Chemistry Letters. 1997(7). 619-620 (1997)
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[Publications] Tetsu Yonezawa: "Growth of Closely Packed Layers of Gold Nanoparticles on an Aligned Ammonium surface" Advanced Materials. (印刷中). (1998)
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[Publications] Tetsu Yonezawa: "Practical Preparation of anionic mercapro ligand-stabilized gold nanoparticles and their immobilization" Colloids and Surfaces A. (印刷中). (1998)
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[Publications] 米澤 徹: "金微粒子の二次元組織化" 化学工業. 49(4)(印刷中). (1998)