1997 Fiscal Year Annual Research Report
光化学系IIの機能モデルを目指すポルフィリン含有複合超分子系の合成
Project/Area Number |
09740541
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 央 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40231485)
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Keywords | 光合成モデル / ポルフィリン / マンガン / コバルト |
Research Abstract |
1.フェノラート架橋2核マンガン錯体とポルフィリンとが共有結合で結ばれた一連の化合物を合成し、その光・電気化学的挙動について検討した。過渡吸収スペクトルの測定の結果、亜鉛ポルフィリン/マンガン錯体結合化合物では、ポルフィリンの励起一重項から三重項へ、また三重項から基底状態への系間交差がそれぞれ著しく加速されることがわかった。これに対して、フリーベースポルフィリン/マンガン錯体結合化合物では、三重項とは少し異なる化学種が観測され、イオン状態が生成している可能性が示唆された。 2.トリス(2-ピリジルメチル)アミンを共有結合で2分子つないだ化合物を合成し、マンガン錯体の生成を試みた。ピリジン環の2位、4位で結んだ化合物については錯体は単離できなかったが、3位で結んだ化合物については錯体が単離できた。元素分析・磁化率・電気化学測定などの結果から、この錯体はビス(μ-オキソ)架橋構造を有していることが示唆された。 ポルフィリンとコバルト(III)錯体が配位結合で結ばれた化合物の合成を試みた。まず予備的な研究として、コバルト(III)錯体にピリジンが配位した化合物を合成し、その電気化学的挙動を調べたところ、ポルフィリンとの間で電子移動を起こす可能性が高いことがわかった。現在ポルフィリンとコバルト錯体を結合する方法について研究中である。
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