1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体機能性材料を用いた電気化学的センサーの開発に関する研究
Project/Area Number |
09740548
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
菅原 一晴 北見工業大学, 工学部, 助手 (30271753)
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Keywords | キチン膜 / カーボンペースト電極 / モリブデン酸イオン / セレン酸イオン / グルコースセンサー |
Research Abstract |
キチン膜修飾グラッシーカーボン電極(GCE)によるオキソアニオンの濃縮ボルタンメトリーに関する研究:オキソアニオンの簡便、迅速な分析法を濃縮ボルタンメトリーによって検討した。キチン膜で被覆したGCE電極を用いることで、オキソアニオンはアセチルアミド基との静電的相互作用により電極に濃縮される。この電極を用いることで、モリブデン酸では電位を掃引して酸化波を測定することによりその検出が可能となった。電極反応はいくつかの検討によってMoO_2からMoO_4^<2->への酸化によるものと推測された。同様に、セレン酸イオンにおいても、還元波を測定することでセレン酸イオンの検出ができた。この電極応答はSeO_4^<2->からSeO_3^<2->への還元であると予測される。また、この測定方法は目的物を電極表面上に濃縮した後、マトリックスを含まない溶液で測定を行うため電気化学的干渉を抑制することができる。さらに、使用した電極はpH7.0のリン酸緩衝溶液につけることで容易に再生される。このような結果から、いくつかの電極活性なオキソアニオンへの適用も期待され選択的な分析法の開発に役立つものである。 酸素固定キチン修飾カーボンペースト電極を用いた電気学的センサーの開発:本研究ではキチンが酵素を固定化する支持体として有用であるかを検討するために、基本的なモデルとしてグルコースオキシダーゼを固定化したキチンと白金粉末で修飾したカーボンペースト電極によるグルコースセンサーの開発についての検討を行った。この手法の利点としては静電的相互作用によって酵素を固定でき電極の調製も簡便であることである。キチン修飾電極では10^<-6>M程度のグルコースに応答した。キチンは人体にやさしい天然素材であるために、本センサーはグルコースのin vivoにおけるモニタリングの可能性を持ち、他の酵素の固定にも応用できるものと考えられる。
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[Publications] Kazuharu Sugawara: "Evaluation of Avidin-Biotin Binding Usin a Biotin Labeled with Daunomycin by Photoacoustic Spectrometry" Chemistry Letters. No.7. 627-628 (1998)
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[Publications] Kazuharu Sugawara: "Voltammetric detection of silver(I) using carbon paste electrode modified with keratin" Analyst. Vol.123. 2013-2016 (1998)
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[Publications] Kazuharu Sugawara: "Electrocatalytic Reduction of Hemoglobin at a Self-Assembled Monolayer Electrode Containing Redox Dye-Nile Blue as an Electron-Transfer Mediator" Analytical Sciences. (in press). (1999)
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[Publications] Kazuharu Sugawara: "Control of Electrocatalytic Oxidation of NADH Using an Interaction between Labeled biotin with Dopamine and Avidin" Journal of Electroanalytical Chemistry. (in press). (1999)