1998 Fiscal Year Annual Research Report
脊椎動物の形態的・生理的特性を支える進化的.遺伝的基盤の解明
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09740566
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
颯田 葉子 総合研究大学院大学, 教育研究科交流センター, 助教授 (20222010)
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Keywords | 主要組織適合性抗原遺伝子群 / ゲノム再編 / 組み換え率 / 分子進化 / 獲得性免疫 |
Research Abstract |
1. 脊椎動物の体制の特徴の一つである未知の外来抗原に反応する予見的免疫システムの獲得の過程を明らかにするために、下等脊椎動物であるヌタウナギのゲノムライブラリーの構築を進めた。昨年度までにヌタウナギの血球細胞を分離し、高分子量のDNAが単離されていることを確認している。100ないし300kbのゲノム断片を含むライブラリーの構築を目指したが、実際にベクターに取り込まれているゲノム断片のサイズは50ないし80kbとなりシンテニーを検出するには小さな断片となった。今後は、このライブラリーからNotch遺伝子を含むクローンを分離し、オーバーラップクローンを単離していく。更に、大きなゲノム断片を含むライブラリーづくりを続ける。 2. MHC遺伝子座領域の進化の様相を明らかにするには、この領域でのゲノム再編のメカニズムを知ることが必要である。昨年度はヒトMHC遺伝子座領域を用いてこの領域での組み換え率の推定を試みたが、本年度は、この解析をMHC遺伝子座近傍の4000kbの領域に拡大した。その結果、MHC遺伝子座近傍の広範な領域での組み換え率は、1Mbが1cMから0.1cMに相当した。推定値に大きな開きがあるのは、MHC遺伝子座から離れるにつれ多型の程度が中立に近づくため、10倍の組み換え率を区別するのに十分な配列データが入手できなかったことによる。今後は、高い組み換え率の推定値の精度をあげるために、ヒトのMHC遺伝子座近傍領域の塩基配列決定とともに、同じ様な解析を下等脊椎動物やキョク皮動物を用いて行い、ゲノムの組み換え率が生物を問わず一定であるかどうかを検証する。
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[Publications] Yoko Satta: "The neutral theory and natural selection in the HLA region" Frontiers in Bioscience. 3. d459-467 (1998)
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[Publications] Yoko Satta: "Molecular clock and recombination in primate Mhc genes" Immunol.Rev.167(in press). (1998)