1998 Fiscal Year Annual Research Report
アクチンフィラメントと細胞膜の結合様式とその制御機構の解析
Project/Area Number |
09740621
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 成樹 千葉大学, 理学部, 助手 (40261896)
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Keywords | ERM / エズリン / ラディキシン / モエシン / アクチン / 細胞骨格 / 細胞膜 / GFP |
Research Abstract |
平成9年度 変異タンパク質を用いたモエシンの機能ドメインの特定 これまでの知見によりエズリンとラディキシンはそのN端側の領域で膜タンパク質に、C端側の領域でアクチン線維の束よりなるストレスファイバーに結合することが示されている。そこで9年度はモエシンを大きく二つの領域に分けそれぞれのドメインをHAをタグとして発現ベクターに組み込み、培養細胞にトランスフェクションすることによりその機能を解析した。その結果モエシンはエズリンラディキシン同様に、そのN端側のドメインは細胞膜への局在を示した。一方、C端側のドメインはストレスファイバーを含むアクチンフィラメント系へ結合することがわかった。また、特に強力な発現能力を持つベクターを用いると、N端側のドメインはdominant negativeに働き、内在のモエシンの細胞膜への濃縮を妨げることが明らかになった。この効果はモエシンだけでなく、ラディキシンやエズリンにも働いた。 平成10年度 生細胞におけるモエシンの挙動の変化と細胞動態のリアルタイム観察 アクチン線維と細胞膜の結合におけるモエシンの機能を解析するのにもっとも良い方法の一つとして生細胞でモエシンの挙動と細胞の動態をリアルタイムで観察する事が挙げられる。そこで10年度はモエシンの全長、N端側ドメイン、C端側ドメインにそれぞれGFPをタグとして培養細胞に発現させた。発現した各ドメインはHAタグと同様の局在を示し、GFPがこれらのタンパク質のタグとして用いることが可能であることが分かった。そこで生きている細胞内におけるこれらのタンパク質の局在の様子をタイムラプスCCDカメラを用いて観察した。またこのシステムを用いて筋タンパクのC-タンパク質とH-タンパク質の相互作用を解析した。この結果はアメリカ細胞生物学会で発表した。
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