1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09740653
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
西澤 哲 東京都老人総合研究所, 運動機能部門, 研究員 (00270661)
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Keywords | 高齢者歩行 / 3次元動作解析 / 運動学的データベース / データベース解析システム / フットクリアランス |
Research Abstract |
高齢者歩行動作の3次元計測を行い,その1ストライドの各マーカ軌跡のデータベースを構築した.計測した被験者は独歩可能な地域在住高齢者64名およびコントロールとしての20〜39歳被験者47名である.被験者の身体の13箇所(左右の肩峰,左右の手首点,左右の上前腸骨練,第5腰椎点,右の腓骨近位端,右の腓骨遠位端,左右の踵点,左右の爪先点)に赤外線反射マーカが装着され,被験者の数ストライドにおける各マーカの軌跡がVicon370(英国Oxford Metrix社製)によって計測された(精度0.5%以下,サンプリング60Hz).各データの中から歩行路の中央に設定された原点に最も近い右から始まる1ストライドが抽出され,各被験者のその1ストライド時間を100分割し,分割点における各マーカの位置を保管することによって,データベースを構築した.このデータベースは言語ソフトLabVicw(米国National Instulments社製)を用いて自作されたソフトウェアで管理され,任意の被験者のある時刻のマーカ位置,もしくは任意の被験者群の平均マーカ位置が得られる様になっている.従ってこのデータベースおよびその管理ソフトウェアを用いることにより,歩行の加齢変化を運動学的に解析することが出来,また歩行の運動学的メカニズムを解析することも可能になる. このデータベースを用いた解析例としてフットクリアランスの加齢効果を示す.高齢者のフットクリアランスを調べた過去の研究は幾つかあるが,それらからは決定的な結論が未だ導き出されていない.本データベースを用いた解析によると高齢者の中では加齢効果が見られず,身長で基準化すると性差も認められなかった.また20〜39歳の被験者と比較すると,高齢者では有意にフットクリアランスが高くなることが分かった.
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[Publications] Nishizawa,S.,et.al.: "The Aging Effect for Double Stance Phase in Older Adults" Anthropological Science. 106,. 185-185 (1998)
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[Publications] 西澤 哲 他: "地域高齢者を対象にした歩行時のフットクリアランスに関する研究" バイオメカニズム14. 69-79 (1998)