1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
江島 丈雄 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80261478)
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Keywords | RHEED / エピタキシャル膜 / 多層膜 / 軟X線光学素子 / 反射率 / 光学定数 |
Research Abstract |
現在、100eV以上のエネルギー領域における軟X線光学素子は主に軟X線多層謨によって作られており、その開発状況は軟X線多層膜を構成する物質対の探索やその製作手法が摸索されている。 この軟X線多層膜の作製が困難である理由として、光のエネルギーが高くなると多層謨の1層あたりの膜厚が薄くなることが挙げられる。これは、各膜にエピタキシャル成長膜を使うことによりその困難を避けることが可能と考えた。従って、この研究は、エピタキシャル成長膜による軟X線光学素子を作製することを目的とした。 上記の目的に基づき、今年度はエビタキシャル成長膜を膜厚を精度よく制御しつつ成膜するために、反射電子線回折装置(RHEED)を用いて膜厚を制御するシステムを作製した。必要装置は、年度当初に発注し7月末に納入された。納入された機械を使用してシステムの改良に3ケ月、システムのデバッグに1ヶ月を要し、平成9年11月末に制御装置が完成した。 一方で、高反射率の得られる軟X線光学素子を作製するには、消衰係数が小さい物質群中から、対となる2つの物質の、真空に対するフレネルの振幅反射係数の相互間隔が大きなものを選ぶ必要がある。エピクキシャル膜を利用する場合には、更にその2つの物質がエピタキシャル成長する条件を満たさねばならない。この条件を満たす物質の光学定数は必ずしも知られているわけではないので、上記の作業と平行して、Total Yield 法および反射計測法による光学定数の決定を行った。測定には、研究室に既存の反射率計を用いて行った測定の他、PFでの反射率測定実験も行った。
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