1997 Fiscal Year Annual Research Report
フェムト秒時間分解能を持つ近視場光学顕微鏡の開発と有機薄膜の局所光物性の研究
Project/Area Number |
09750055
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
坂口 浩司 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (30211931)
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Keywords | フェムト秒レーザー / 近接場光学顕微鏡 |
Research Abstract |
超高速光パルス技術とナノテクノロジーを融合させた“フェムト秒近接場光学顕微鏡"の開発と有機量子構造の局所非線型分光を目的として、初年度は、ナノメートル局所分光を可能とする近接場光学顕微鏡を制作した。ナノメートルの空間分解能を持ち、シアフォース(せん断応力)検出によりチップとサンプルのナノメートル距離制御を行う。近接場光学顕微鏡は、メカニクス(機械ユニット)、オプティクス(シアフォースの光学的検出系)、エレクトロニクス(ナノメートル微動機構の制御回路と駆動回路)の各コンポーネントから成る。試料のナノメートル微動を行うためのプリズムを取り付けたピエゾアクチュエータ(長さ7cm)、50nmの開口径を持つ光ファイバプローブチップを取り付けたシアフォース振動用のditherピエゾアクチュエータを粗動XYZ三軸ステージに取り付けた。Ditherピエゾアクチュエータに40mV、28.4kHz(光ファイバープローブの共振周波数)の電圧を印可し、光ファイバプローブを水平振動させた。光ファイバプローブに半導体レーザーを照射し、シアフォース振動を2分割フォトダイオード、IV変換回路、差動アンプ、ロックインアンプで検出した。エレクトロニクス部は、試料の微動を行うためのピエゾアクチュエータ(X,Y,Z)に200Vの電圧を供給する駆動回路、及びチップと試料の距離を一定に保つための制御回路(前置増幅器、絶対値増幅器、対数増幅器、フィードバック回路)からなる。シアフォース検出出力を制御回路に入力し、チップと試料の距離(Z軸方向)を一定に保ちながら、X,Y二次元スキャンを行った。試料としてDVDディスクを用い、制作した近接場光学顕微鏡の性能をチェックした。幅100nmのピットが明瞭に観測され50nmの解像度を持つことが確認できた。
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