1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750063
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
大知 渉之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, PD研究員 (70288554)
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Keywords | X線レーザー / マイクロXPS / Schwarzschildミラー / マイクロビーム / エッジ掃引法 |
Research Abstract |
本年度は、マイクロXPS装置を構築する前段階として、X線レーザーをマイクロビーム化するための装置を構築し、マイクロビーム形成とその評価を行った。 マイクロビーム化用の装置は、X線源用チェンバーとX線縮小光学素子・X線検出器・エピゾステージ等からなる試料チェンバーで構成されている。このたび購入したピエゾステージは、試料チェンバーに取り付けた。 X線源となるX線レーザーには、レーザー作用を確認しているAl Xl 3d-4f線(波長15.47nm)を用いた。X線レーザーは、X線用の凹面鏡と平面鏡とで構成された不安定共振器で増幅され、平面鏡に開けられた100μm角の小孔から出射される。そのX線レーザーをSchwarzschild型のX線ミラーによって、1/224に縮小し、マアイクロビームを作る。このマイクロビームの評価はエッジ掃引法を用いて行った。エッジはX線ミラーの光軸に対して垂直な面内(移動精度:10nm)、及び光軸方向(精度:0.5μm)に移動可能なピエゾステージに取り付けた。マイクロビーム化されたX線は、MCP・蛍光面・CCDカメラを用いて検出した。実験を行った結果、もっとも小さいビームサイズとして、1μm(半値幅)が得られた。これは、理想値として幾何光学的に得られるビームサイズ(0.45μm)よりも大きく、その原因についてはチェンバーの振動・ミラーのアライメント等が考えられ、現在調査中である。また、このビームサイズに集まっているX線のフォント数はとして、10^6個程度であると見積もることができた。 今後は、ビームサイズを理想値に近づけることを行い、その後、XPS装置をドッキングさせマイクロXPSの実験に取り掛かる予定である。
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Research Products
(1 results)