遅延フィードバックによる非線形システムの制御とその実験的検証

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09750076
• Research Institution: Osaka Prefecture University
• Principal Investigator: 小西 啓治 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90259911)
• Keywords: カオス / 遅延フィードバック制御 / 高次元カオスシステム / カップルドマップラティス / 大域結合マップ

Research Abstract

本研究は、代表者が論文(Phys.Rev.E,Vol.54(1996)3455)で提案した制御方法の簡単なアイディアを、高次元システムに適用できるように拡張し、理論的検討と電子回路による実験的検証を目的としている。平成9年度で得ることができた新しい結果を以下にまとめる。
1.流れのある高次元カオスシステム(One-way coupled map lattice)の分散遅延フィードバック制御方の理論的安定性解析を行い、不確かな情報に基づく制御系の設計手順を明らかにした。
2.環状に接続された一方向高次元カオスシステム(One-way coupled ring map lattice)の分散遅延フィードバック制御方の理論的安定性解析を行い、制御系の設計手順を明らかにした。
3.大域結合高次元カオスシステムに代表者が提案している制御法を適用し、その有効性を検証した。
4.代表者が提案している制御法を、カオスが発生するICチップを用いて実験的に実現し、その動作が理論的結果と合致しすることを確認した。
1の結果については、米国物理学会の学術雑誌に投降中である。2と4の結果については、論文を作成中である。3の結果は既に学会(電気四学会関西支部連合大会)で発表しており、ICチップによる実験結果をふまえて論文を作成する予定しにしている。今後、1と2の理論的結果が正しいことを実験的に確認する意向である。