1997 Fiscal Year Annual Research Report
搬送スケジューリングのオンライン最適化に関する基礎研究
Project/Area Number |
09750081
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
軽野 義行 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (80252542)
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Keywords | マテリアル・ハンドリング / スケジューリング / オンライン・モデル / オフライン最適化 / ヒューリスティックス |
Research Abstract |
対象とした搬送スケジューリング問題では,工場内を周回する搬送車によって,多種多数の部品を納入エリアから部品棚へと運ぶ際に,搬送車の各周回における部品搬送作業を標準化することが求められている.そのため,納入エリアは複数の納入レーンによって構成されており,それぞれの部品はいずれかの納入レーンへと振り分けられる.ここでは,この振り分けをよりよく行うことが,効率の良い部品の搬送スケジュールを得ることに直接つながる.搬送スケジューリングの最適化には,それぞれの部品の納入エリアへの到着時刻があらかじめ分かっている場合,それぞれの到着時刻は未知であるが到着分布は分かっていると考えてよい場合,および,未来の情報については全く知ることが出来ない場合という代表的な3つのレベルが存在する.第一のレベルはいわゆるオフライン最適化モデル,第三のレベルはオンライン最適化モデル,そして,第二のものはそれらの中間的なモデルといえる.オンライン最適化の効果を検証するためには,オフライン最適化の結果が必要になるので,まず,オフライン最適化問題を定式化し,メタ・ヒューリスティックスに基づいた近似解法を構築した.近似解法の性能は計算機実験によって確認された.次に,実行可能な部品搬送スケジュールを得るために必要な最小限の納入レーン数について検討した.その結果,オフライン最適化モデルでは,部品の到着時刻から必要納入レーン数の下界値が計算できることを示した.さらに,部品の到着分布が分かっている第二のレベルのモデルに対しても,それが必要納入レーン数の一つの推定値として有用であることを確かめた.これらの結果がオンライン最適化モデルに対してどの程度利用可能かを調べることが今後の課題である.なお,これに関連して,ロボティク生産セルを対象とし,搬送を考慮したスケジューリング問題の定式化や,近似解法と厳密解法の構築も行った。
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[Publications] Jinliang CHENG: "Optimal Scheduling for an Automated m-Machine Flowshop" Journal of the Operations Research Society of Japan. 40・3. 356-372 (1997)
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[Publications] 木瀬 洋: "有限バッファを持つ3機械ロボティクセルの最適スケジューリング" システム制御情報学会論文誌. 10・11. 567-574 (1997)