1997 Fiscal Year Annual Research Report
高強度鋼の超高サイクル疲労強度特性に及ぼす高真空および不活性環境の影響
Project/Area Number |
09750089
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 孝 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30237408)
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Keywords | 超高サイクル疲労 / 疲労 / フラクトブラフィ / 高強度鋼 / 高真空環境 / 不活性環境 / フィッシュアイ / き裂進展 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高強度鋼の超高サイクル域における疲労き裂の発生・進展に及ぼす高真空環境ならびに不活性環境の影響を調べることである。2年間を通じた実施予定項目は(1)高真空環境下での引張疲労試験システムの開発、(2)高真空環境および不活性環境(N_2環境あるいはAr環境)下での超高サイクル疲労試験の実施と両結果の比較、(3)SEM破面解析による疲労機構の推定である。 平成9年度は上記のうち(1)の項目、すなわち高真空下で軸荷重疲労試験を可能とするシステムの開発とその評価を行なった。開発目標は負荷容量5t、真空到達圧力10^<-4>Pa以上とした。真空排気装置にはロータリポンプとターボ分子ポンプのハイブリッド方式を採用した。真空チャンバー・フランジ配管類は全て超真空対応とし、試験片取り付け部の大気との遮断には金属ベローズを使用した。この結果、約24時間の排気で1.6×10^<-5>Paの真空到達圧力を達成することができた。これにより配管系統のベ-キングを行なえば10^<-6>Pa以上の超高真空下での実験も可能な能力をもつことがわかった。疲労試験の制御方式は電気油圧サーボ方式を採用し、アクチュエータと試験片接続部間に球面軸受けを組み込む設計とした。この結果、負荷荷重5tで繰返し速度40Hz、荷重精度1%以内、偏荷重成分3%以内の実験が可能となった。また、予備疲労試験を通じて真空圧力の低下などの不具合は認められなかった。 以上から、当初の設計仕様を満足し、平成10年度の実験に十分使用可能な試験装置を開発することができた。
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