1998 Fiscal Year Annual Research Report
ひずみゲージを用いた磁気弾性応力拡大係数の解析方法
Project/Area Number |
09750091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀口 勝三 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30219224)
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Keywords | 破壊力学 / 強磁場材料試験 / 強磁性材料 / 曲げ / 磁気弾性相互干渉 / 応力拡大係数 / 強磁場利用機器 / 磁気閉じ込め方式核融合炉 |
Research Abstract |
本研究は、強磁場利用機器の設計・安全性評価に資することを目的に、ひずみゲージを用いた磁気弾性応力拡大係数の解析方法を提案し、応力拡大係数に及ぼす磁場の影響解明に関する理論的・実験的研究を行ったものである。昨年度の検討結果を踏まえて得られた成果を要約すると以下の通りである。 1. 磁場内における最適変位・ひずみ計測法を、検討した上で、フェライト系ステンレス鋼SUS430平板の曲げ試験を行い、磁気弾性相互干渉に及ぼす試験片長さ、厚さ及び幅の影響を明らかにした。また、軟磁性はり板の磁気弾性曲げ解析を行い、理論解析結果と実験結果を比較して理論の妥当性を検証した。 2. 磁場内におけるき裂を有する両端固定平板が試験片中央部に線状荷重を受ける場合の曲げ試験を行い、き裂先端近傍のひずみ分布計測法を、検討した。ひずみゲージは、磁気弾性応力拡大係数評価のため最適である単軸5連式ゲージを用いた。また、ゲージ設置位置は、き裂面に対して垂直方向に2mm間隔とし、この場合が最適であった。 3. SUS430(比透磁率122.9)及びオーステナイト系ステンレス鋼SUS316電子ビーム溶接材(フェライト含有量2.58%、比透磁率3.906)を対象に、平板表面に垂直な一様磁場内における貫通き裂(片側・両側縁き裂、中央き裂)を有する両端固定平板が試験片中央部に線状荷重を受ける場合の曲げ試験を行った。また、計測したき裂先端近傍のひずみ分布より、外挿法を用いて磁気弾性応力拡大係数を算出した。SUS430の場合、応力拡大係数は、磁場の増大に伴い増大し、き裂長さと試験片厚さの比及び試験片長さと厚さの比が大きいほど顕著な磁場の影響を受ける。また、理論解析と実験では負荷条件等に違いがあるものの、応力拡大係数に及ぼす磁場の影響は、同一の傾向を示した。SUS316電子ビーム溶接材の場合についても同様な検討を行ったが、応力拡大係数に及ぼす磁場の影響は、ほとんど認められなかった。
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[Publications] 堀口 勝三: "磁場内におけるフェライト系ステンレス鋼平板の曲げ試験と磁気弾性解析" 日本機械学会論文集,A編. 64-621. 1296-1301 (1998)
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[Publications] Y.Shindo: "Scattering of Flexural Waves by a Through Crack in a Soft Ferromagnetic Plate in a Uniform Magnetic Field" Theoretical and Applied Mechanics. 47. 135-146 (1998)
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[Publications] Y.Shindo: "Magneto-Elastic Analysis of a Soft Ferromagnetic Plate with a Through Crack under Bending" International Journal of Engineering Science (in press).
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[Publications] 堀口 勝三: "磁場内におけるき裂を有する強磁性平板の曲げ試験とひずみゲージ法による曲げモーメント拡大係数評価" 第28回安全工学シンポジウム講演予稿集. 237-240 (1998)
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[Publications] 堀口 勝三: "インコネル625系溶加材を用いたCSUS-JN1極厚鍛造材溶接部の極低温破壊靱性および断熱発熱" 日本機械学会論文集,A編. 64-620. 904-911 (1998)
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[Publications] 堀口 勝三: "有限要素法および切欠き引張試験による構造材料の極低温破壊靱性評価" 第59回1998年度秋季低温工学・超電導学会講演概要集. 67 (1998)