• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1997 Fiscal Year Annual Research Report

新しいB-C-N系化合物の探索と工具への応用に関する研究

Research Project

Project/Area Number 09750110
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

酒井 克彦  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80262856)

KeywordsBCN系材料 / イオン注入 / 高圧力合成 / 薄膜コーティング / 摩擦摩耗試験 / 微小押し込み試験
Research Abstract

本年度は,はじめに高圧力合成法と同様の熱力学的平衡状態を実現することができる,スタティックイオンミキシング法によるBCN結晶の合成を試みた.実験は単結晶シリコン基板にB_4Cを蒸着し,その跡に加速した窒素イオンを注入して成膜を行った.この方法は高圧力合成と比較してバルク体を得ることが難しいという欠点があるものの,本研究の目的である工具上に超硬質薄膜を形成するという観点からはより合理的な方法であると考えられる.実験条件として窒素イオンの加速電圧,基板温度および,窒素の注入量を選択し,形成した皮膜の結晶構造を調べるためにX線回折実験を行ったほか,膜中のB,C,Nのそれぞれの元素の結合状態を調べるためにXPS(X線光電子分光)法,それぞれの元素の組成分布を調べるためにAES(オージェ電子分光)法による測定を行った.また,皮膜の機械的性質を調べるために微少押し込み試験(ナノインデンテーション)によるビッカース硬さの評価を行った.以上の実験結果から次の事が明らかになった.薄膜内の原子の結合状態はC-NおよびB-Cの共有結合性が存在することが確認されたものの,結晶としては存在せずアモルファス状態となっていることがわかった.また,窒素の注入は試料表面からおよそ100nmまで行われていることが確認された.一方,膜のマイクロビッカース硬度はおよそ3000程度で,出発材料であるB_4Cのバルク体の値に匹敵することが分かった.しかし,基板温度が室温の状態による製膜では窒素注入による膜硬度の向上は見られなかった.このことから,今後は成膜時の各種パラメーターを操作しながら実験を進めると同時に,イオン注入をスタティック法からダイナミック方に切り替えてさらに製膜実験を続ける予定である.また,高圧力処理による静的な非平衡状態を利用して,イオン注入によって出来た膜を高圧状態に置くなどの新しい処理によってBCN結晶を得る可能性についても検討していく.

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Publications (1 results)

  • [Publications] 加 藤 芳 正: "BCN系超硬質薄膜の形成と機械的特性" 名古屋大学工学部1997年度卒業論文. 1-64 (1998)

URL: 

Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi