1997 Fiscal Year Annual Research Report
潜在界面端き裂の概念の提案とそれに基づく異種接合材の統一的な強度評価方法
Project/Area Number |
09750115
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井岡 誠司 大阪大学, 工学部, 助手 (50283726)
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Keywords | 異種接合材料 / 接合界面 / 自由縁応力特異性 / 応力拡大係数 |
Research Abstract |
本研究では,異種接合材料の接合界面端に微小なき裂を導入し,このときのき裂先端の応力拡大係数をもとに強度評価を行う潜在界面端き裂の概念を提案し,その有効性を検討する.界面端近傍の形状により応力拡大係数がどのように変化するかを検討するとともに,申請者がこれまでに行ってきたき裂がない場合の自由縁応力特異性の発生・消失との関係についても検討を行う.平成9年度は以下のような研究成果を得た. (1)接合材料の界面端に微小なき裂を導入した解析対象について,境界要素法を用いてき裂先端の応力拡大係数を求めた.解析対象の接合界面と自由縁の交わる角度を種々に変えた場合について解析し,自由縁応力特異性の指数と潜在微小き裂先端の応力拡大係数の関係について数値的な検討を行った.その結果,特異性の指数が大きくなるにつれて,応力拡大係数の大きさが大きくなる傾向が見られた.このことから,特異性の指数が低くなる,あるいは特異性が消失するような形状を選ぶことにより,接合材料の界面端強度を向上させることができると考えられる.この傾向は,外力負荷,熱応力負荷のどちらの負荷条件の下でも見られた. (2)2枚のアルミ板をエポキシ樹脂で接着した試験片を作成し,引張り試験を行い樹脂層厚さと引張り強度の関係について実験的な検討を行った.その結果,樹脂層厚さを小さくするほど引張り強度は大きくなった.また,接合界面の強度を特異性の指数,あるいは特異性の強さにより評価できる可能性があることがわかった.
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