1998 Fiscal Year Annual Research Report
セラミックスのインデンテーション法におけるき裂発生に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09750121
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
糸数 真哉 琉球大学, 工学部, 助手 (40213102)
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Keywords | インデンテーション法 / セラミックス / 三角すい圧子 / ビッカース圧子 / 超微小硬度法 |
Research Abstract |
セラミックスは,高硬度,耐摩耗性および高融点等の特性のため,極限状態で使用される構造用部品として注目されているが,その破壊挙動が脆性であるために使用する際の本質的な問題となっている。現在,最も簡便にセラミックスの破壊靭性値を測定する方法の一つにインデンテーション法がある。しかし,その実験式だけでも20もの式が提案されておりその優劣については明確な結論が示されていない。その原因としてセラミックスの種類により発生するき裂形状が異なることやき裂が圧子押込みのどの時期にどのように発生しているのかについて統一的な見解がなされてないためであると考えられる。そこで本研究では,セラミックスのインデンテーション法におけるき裂発生のメカニズムについて実験および解析の両面からひとつの考察を示すことを目的とする。昨年度は,ビッカース圧子および三角すい圧子を用いた圧子押込み試験機の製作を行った。押込み試験機は,電気サーボ引張圧縮疲労試験機を本体に用いて,圧子押込み変位を測定のために光ファイバー方式の非接触変位計を取り付けて実験を行った。本年度は,非接触変位計のプローブ先端に専用のカバーを取り付けることにより蛍光灯などから発生するノイズを取り除くことに成功した。このような試験機周辺からのノイズ除去により圧子の押込み荷重一変位曲線の除荷過程の測定分解能を上げることが可能となり,材料の弾性係数と除荷曲線との関係を考察することができた。また,耐火レンガにガラス粉末を溶射して作成した機能性材料の溶射皮膜部分の強度評価に本研究で作製した圧子押込み試験機を用いた。ガラス溶射皮膜は,脆性材料でちょうどセラミックスと同様な変形挙動を呈しており,圧子押込みによるき裂発生が観察された。しかし,圧子押込み荷重一変位曲線のどの部分でき裂が発生するのかについては,今後詳細な研究が必要である。
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