1997 Fiscal Year Annual Research Report
磁場印如反応性スパッタリング法による高品位硬質窒化物薄膜の高速成長
Project/Area Number |
09750123
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 尚三 姫路工業大学, 工学部, 講師 (50193587)
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Keywords | 窒化チタン / 反応性スパッタリング / プロセス制御 / 分光分析 |
Research Abstract |
本研究は、反応性スパッタリング法による窒化物薄膜作製プロセスの精密制御と外部磁場印加による薄膜物性の制御を目指したものである。 本年度は、まず、Tiターゲットを高周波スパッタリングすることによって生じるグロー放電プラズマを分光し、空間中を飛行するTi原子からの発光強度(λ=365nm)が一定になるように窒素流量をフィードバック制御することで、反応性スパッタリング特有のヒステリシスを無くして高精度に窒素分圧を制御できるシステムを構築した。この結果については、日本金属学会誌(第61巻、第10号)に発表した。さらに、このシステムを用いて種々のAr分圧および窒素分圧下でTiN薄膜の成膜を行い、その内部応力、抵抗率、結晶構造解析を行った。その結果、Ar分圧を0.3Paとし、窒素分圧を2〜6X10^<-3>Paと厳密に制御した場合には、2GPa程度の大きな圧縮の内部応力を有するが、30μΩ・cm程度という非常に低い抵抗率を示す高品質のTiN薄膜を成長させることができることがわかった。このような良質のTiN薄膜が成長する条件は本制御システムなしには安定に再現できないだけでなく、従来法に比べて約3倍程度高速な薄膜成長が行えることも明らかとなり、システムの有効性が示された。 一方、外部磁場を用いてスパッタリング時のグロー放電プラズマを収束させることによる薄膜物性の制御については、永久磁石を基板裏面に配置するという非常に簡単な方法で検討を開始した。しかし、現在までのところ、用いた磁場が弱すぎて基板を照射するイオンの量をコントロールできず、磁場なしで得られた以上に良質のTiN薄膜を成長させるには至っていない。この点に関しては、平成10年度の課題である。
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Research Products
(1 results)