1997 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧プラズマを利用したラジカル反応による形状加工装置の開発-高速回転電極を用いた数値制御形状加工システムの試作
Project/Area Number |
09750141
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山村 和也 大阪大学, 工学部, 助手 (60240074)
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Keywords | プラズマCVM / 大気圧プラズマ / 高速回転電極 |
Research Abstract |
本研究で提唱する加工法は加工現象としてラジカル反応を利用した純化学的な加工法(プラズマCVM:Chemical Vaporization Machining)であり、従来の機械加工法に置き代わる理想的な加工法として確立することを目的としている。そのため加工特性としては、高能率性,空間制御性,イオン衝撃による基板損傷の防止を具備することが前提となる。本研究ではそれらを実現するために、大気圧以上の高圧力雰囲気下において高周波電界を用いてプラズマを発生させる。また、高圧力下で発生するプラズマ部への反応ガスの大量かつ安定な供給、ならびにそれをラジカル化するための大電力の投入を同時に可能とするため、プラズマを発生させる電極を高速で回転させることを提案する。 本年度は、まずこの形状加工装置用の高速回転電極の試作を行った。回転電極を用いた場合、反応ガスはガス自身が有する粘性により回転電極の表面に引きつられて供給されると考えられ、その供給量に応じて加工速度が変化すると考えられるが、実験の結果、加工速度は電極周速度にほぼ比例することが分かり、回転電極によって効率的に反応ガスの供給が実現できることを確認した。また、電極を高速で回転させることで、電極表面が恒常的にプラズマにさらされるのを回避でき、プラズマ発生部以外は冷却されるため大電力の投入が可能となり、ラジカル密度の増大により加工能率が向上すると考えられるが、実験の結果、回転電極を用いることで、固定電極に比べてはるかに多量の電力を投入可能であり、その結果固定電極に比べて桁違いの加工速度が得られることを確認した。 今後はさらに基礎データを蓄積し、数値制御形状加工システムの構築を行っていく予定である。
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