1997 Fiscal Year Annual Research Report
積層厚さのクローズドループ制御による光造形システムの高精度化
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09750144
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
楢原 弘之 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (80208082)
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Keywords | ラピッドプロトタイピング / 光造形法 / 積層造形法 / 感光性樹脂 |
Research Abstract |
光造形法は、薄層の積み重ねを繰り返して実体模型を製造する手法である。製造プロセスが単純で、複雑な形状を容易に作製でき、高速製品開発に向いた技術として注目されている。しかし模型の寸法精度を向上させるためには、(i)樹脂材料特性、(ii)精度要因(積層厚さ)の計測手法、および(iii)制御方法について明らかにする研究を進めて行く必要がある。 本研究は、光造形法の樹脂硬化形状の自動計測・補正を行い、積層厚さを精密に測定してクローズドループ制御系を構成したシステムを構築し、高精度な光造形模型を実現することにある。この目的のために、本年度は以下の内容を行った。 1.測定装置構成のための樹脂硬化挙動測定評価 寸法変化に影響を及ぼす、重合初期における硬化挙動を測定する装置の開発を行った。非接触変位センサと熱電対を用いて、微小体積でのひずみと樹脂温度変化を計測する測定系を構成し、硬化初期のひずみ変化が、硬化時の重合熱と熱拡散による冷却により発生していることを確認した。 2.設定層厚さの自動測定と補正技術の開発 表面張力と下部形状との影響で、次層硬化のために供給された薄液層が均一とならずに凹凸を生じる現象が知られている。この均一となるべき液面に凸凹が生じていないかを検出する測定系を考案し、その性能を検証した。液面に投影された正反射像をCCDカメラで捕えて液面の均一性を検出する光学系を構成し、その性能を検討した結果、従来検出が困難であった液面の盛り上がりを検出することが可能となった。また、形状精度を低下させているもう一つの因子である積層段差について、これを解消するための引上げ照射法を提案し、精度向上・造形時間短縮への効果についての解析・実験を行った。
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[Publications] H.Narahara,et.al.: "A New Stereolithography Process for Improved Performance and Surface Roughness" Rupid Product-Development,-Proc. of 8th ICPE,Chapman & Hall in association with ISPE. 93-102 (1997)
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[Publications] H.Narahara,et.al.: "Reaction Heat Effecton on Initialrinear Shrinkage of Stereolithography Resins" Proc.of Solid Freeform Fubrication Symposium 1997,Austin,USA. 733-740 (1997)
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[Publications] H.Narahara,et.al.: "Analysis of Initial Strain of Cured Stereolithography Resin Produced by UV-Laser Beam Scanning" Proc.of Rad Tech Asia '97,Yokohama Japan. 618-621 (1997)
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[Publications] 楢原弘之,他: "光造形模型のそり変形に及ぼす熱歪特性の影響" 型技術. 12(13). 58-59 (1997)