1997 Fiscal Year Annual Research Report
塑性加工における金属加工表面平滑化の潤滑と塑性流動機構の及ぼす影響
Project/Area Number |
09750146
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上谷 俊平 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (40204622)
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Keywords | 塑性加工 / トライボロジー / 表面平滑化 / 焼付き / 塑性流動 / 表面粗さ / 潤滑油 / 押出し加工 |
Research Abstract |
本研究は、塑性加工における製品表面性状のトライボロジカル制御技術の確立(金型寿命予測、潤滑油試験法、計算シミュレーション境界条件の定式化)を最終目的とする基礎研究の一部である。具体的には、バルク塑性変形を伴う金属加工表面における平滑化の問題について、潤滑条件に伴い変化する金属材料の塑性流動状態や表面性状の変化及び潤滑油性状などがどのように寄与しているか、加工中の被加工材料の工具面への凝着現象がどのような条件で発生するか等を実験により詳細に検討し、表面性状と材料変形機構の間に特定の関係を見いだす事を目的とする。 試作した片側平面押出し加工装置を使用して平面ひずみ冷間押出し加工実験を行った。被加工材に純アルミニウム1050Aを、試験油に粘度の異なる3種類のナフテン系鉱油を用いた。加工条件が金型変形領域内の塑性流動状態にどの様な影響を及ぼすかを調べるために、潤滑油の粘度、塗布油量を変化させて、十分な油膜を持ち表面が粗化した条件から平滑化した表面、焼付きの生じた表面など種々の表面状態を得ることができた。これらの表面状態を持つ被加工材を、工具および被加工材表面の表面粗さ測定と表面観察および撮影を行うと共に、あらかじめビレットにけがいておいた格子線のゆがみをvisioplasticity法により解析して、塑性変形領域における被加工材の塑性流動状態(金型内部の変形領域における塑性流れ模様、塑性流れ速度、相当ひずみ速度分布、相当ひずみ分布)の比較検討を行った。これらの解析結果から被加工材の塑性流動と表面の形成状態に特定の関連性があることを定量的に示すことができた。今後この関係から焼付き、表面の平滑化の条件を明らかにして、表面性状のコントロールに結びつけていきたいと考えている。
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