1997 Fiscal Year Annual Research Report
ナノラジアン角度センサの開発とその自律校正システム
Project/Area Number |
09750155
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 世宙 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30282099)
|
Keywords | 角度 / センサ / 自律校正 / その場 |
Research Abstract |
本研究では,ナノラジアンの精度の角度センサを開発することと,単独の角度センサによる線形誤差自律校正法を提案し,オンマシン状態のセンサのその場校正システムを開発することを目的とする. 今年度はまず,3回反射臨界角プリズムの2段を採用した角度センサの光学系の設計製作を行うとともに,そのセンサの検出用回路とペルチェ素子による光源温度制御回路の製作を行った.また,単独線形誤差校正川のレバ-システムの設計,およびレバ-の角度変位用圧電素子の駆動回路などを製作し,自律校正用のプログラムを製作した.ついで,試作した角度センサのドリフト特性を調べ,角度センサはナノラジアンの分解能,3nrad/minの安定性を有することがわかった.また線形誤差の自律校正を行い,日を置いての繰返しの校正では角度センサの線形誤差は,500μradの範囲で,最大35nradの繰返し誤差で校正できたという結果を得た.校正精度は角度センサ自身の分解能と安定性までに達していないのは,主として校正系に入る外乱振動である.現在校正系に混入する外乱振動の除去対策を検討しており,目標の数ナノラジアンの信頼性を達成するための対策を準備している. 一方,いままで提案した角度センサの平均感度の自律校正法は,小測定範囲の角度センサに適するのが難しいので,最近微小測定範囲の角度センサの平均感度の自律校正法を提案した.いままで開発した角度センサ(約9mradの測定範囲)の平均感度校正実験では,その平均感度を1/10000の信頼性で知ることができた.この精度は500μradの測定範囲両端での誤差に直すと,約5onradとなり,ナノラジアン分解能の角度センサの平均感度を校正するには十分ではない.この主原因は校正に要する時間が長すぎてドリフトの影響がそれだけ強くなることにある.また,モータから生じる電磁ノイズもセンサの分解能と校正精度に悪影響を及ぼしていることが判明した.新しく提案した校正方法は,ほぼ同じ校正精度で校正に要する時間を大いに減らすことができるので,ドリフトの影響の低減が期待される.また,モータからの電磁ノイズ低減を中心とした対策を行って,もう1桁高い精度を実現すべく現在,校正システムの改善を計画している.
|
-
[Publications] 張 世宙, 清野 慧, 宇田 豊: "ナノラジアン角度センサの開発とその自律校正" 1997年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 561 (1997)
-
[Publications] 張 世宙, 清野 慧, 宇田 豊: "ナノラジアン角度センサの開発とその自律校正(第2報)-ドリフトによる校正誤差の修正法" 1998年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. (1998)
-
[Publications] S. Zhang, S. Kiyono and Y. Uda: "Nano-Radian Angle Sensor and in Situ Self-Calibration" Aplied Optics. (1998)
-
[Publications] S. Zhang, S. Kiyono and Y. Uda: "Absolute Calibration of Nano‐Radian Angle Sensor" Proceedings of ASPH 1998 Annua1 Meeting. (1998)