1998 Fiscal Year Annual Research Report
ナノラジアン角度センサの開発とその自律校正システム
Project/Area Number |
09750155
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 世宙 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30282099)
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Keywords | 角度 / センサ / 自律校正 / その場 |
Research Abstract |
本研究では,ナノラジアンの精度の角度センサを開発することと,単独の角度センサによる線形誤差自律校正法を提案し,オンマシン状態の角度センサのその場校正システムを開発することを目的とする. 前年度はまず,3回反射臨界角プリズムの2段を採用した角度センサの光学系の設計製作を行うとともに,そのセンサの検出用回路とペルチェ素子による光源温度制御回路の製作を行った.また,単独線形誤差校正用のレバーシステムの設計,およびレバーの角度変位用圧電素子の駆動回路などを製作し,自律校正用のプログラムを製作した.ついで,試作した角度センサのドリフト特性を調べ,角度センサはナノラジアンの分解能,3nrad/minの安定性を有することがわかった.また線形誤差の自律校正を行い,日を置いての繰返しの校正では角度センサの線形誤差は,500μradの範囲で,最大35nradの繰返し誤差で校正できたという結果を得た. 今年度は角度センサ自身の分解能と安定性までに達するために,校正系に混入する外乱振動と電源ラインからのノイズの除去対策を行って実験した.角度センサの線形誤差校正の繰返し誤差の2乗平均誤差は目標の10radの信頼性を達成した.また,いままで提案した角度センサの平均感度の自律校正法では測定範囲の小さい角度センサに対して校正に要する時間が長すぎて校正が不可能に近い.校正にしてもドリフトの影響がそれだけ強くなると予想されるので,微小測定範囲の角度センサの平均感度の自律校正法を新しく提案した.この方法では,角度センサの測定範囲の制限を受けず,ドリフトの影響を低減でき,いままでの校正精度とほぼ同じ精度で校正できる柔軟性がある.さらに,モータからの電磁ノイズ低減を中心とした対策を行って校正システムの改善をした.校正実験では,角度センサの平均感度校正のばらつきは標準偏差で約±0.1×10^<-6>である.この値は平均感度の校正誤差によって100μradの測定範囲で約±10nradの最大誤差が生じることを意味する.目標の精度はほぼ達した.
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[Publications] 張 世宙, 清野 彗, 宇田 豊: "ナノラジアン角度センサの開発とその自律校正" 1997年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 561 (1997)
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[Publications] 張 世宙, 清野 彗, 宇田 豊: "ナノラジアン角度センサの開発とその自律校正(第2報)-ドリフトによる校正誤差の修正法" 1998年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. 209 (1998)
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[Publications] 張 世宙, 清野 彗: "ナノラジアン角度センサの開発とその自律校正(第3法)-小角度の平均感度の自律校正法" 1998年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 81 (1998)
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[Publications] S.Zhang,S.Kiyono and Y.Uda: "Nano-Radian Angle Sensor and In Situ Self-Calibration" Applied Optics. 37. 4154-4159 (1998)
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[Publications] S.Zhang,S.Kiyono and Y.Uda: "Absolute Calibration of Nano-Radian Angle Sensor" Proceedings of ASPE 1998 Annual Meeting. 18. 526-529 (1998)