• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1998 Fiscal Year Annual Research Report

PVAゲルをモデル材料とした高性能潤滑機構開発

Research Project

Project/Area Number 09750157
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

池田 浩治  東京農工大学, 工学部, 助教授 (50251492)

Keywordsポリビニルアルコールゲン / 摩擦・潤滑 / 表面損傷
Research Abstract

本研究は,軟骨に替わる人工軟骨用材料として注目されるPVAゲル(ポリビニルアウコールゲル)の潤滑機構を既存の潤滑システム・軸受けシステムへ積極的に移植するために,PVAゲルの潤滑挙動・損傷挙動に関する知見を得ることを第一の目標とするものである。
初年度に一定速度で回転するステンレス製シャフトにPVAゲルを一定圧力で押し付け摩擦試験を行ったところ,摩擦係数と表面状態の経時変化について,
1) 摩擦係数は試験開始後低下し,30分程度で安定する
2) 安定時の摩擦係数は周速に依存する
3) PVA表面は平滑化するのではなく引き伸ばされたような形に荒れてくる
という知見が得られた。これらについては,ステンレス製シャフトの回転速度や表面観察回数が少なかったこともあり,2年度では,回転速度(周速)を0.05,0.1,0.3,0.4m/sの種類,摺動時間を5時間として詳細な情報を収集することにつとめた。その結果,低摺動速度であるほど
A) 摩擦試験初期の摩擦係数が高い
B) 安定期の摩擦係数が高い
C) 初期の摩擦係数と安定期の摩擦係数の差が大きい
D) 摺動距離(=摺動速度×摺動時間)が短い段階で摩擦係数が安定する
という知見が得られた。一般的な潤滑理論に従えばA)B)は妥当であるものの,残りの2点はかなり特異な挙動であると考えられる。また,表面の損傷状態においては,比較的高摩擦係数であった低摺動速度条件のPVAゲルが大きく損傷しているのに比べ,比較的低摩擦係数であった高摺動速度条件のPVAゲルは平滑というより規則性の高い損傷状況を呈しており,これが低摩擦の実現と何らかの関係があると予測される。
さらに,2年度では,摺動環境において繰り返し圧縮疲労と滑り方向のクリープ疲労を分離する必要があると考え,摺動速度0で繰り返し圧縮を与えたPVAゲルの弾性率変化・破断強度変化を計測した。これらに関しては,一定の傾向は見られないものの,PVAゲルの特殊の応答を示唆しているものと考えられる結果が得られたので,今後も継続して検討を加える予定である。

URL: 

Published: 1999-12-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi