1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09750172
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
宇佐美 初彦 名城大学, 理工学部, 講師 (80278324)
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Keywords | Ceramics(セラミックス) / Sliding friction(すべり摩擦) / Friction coefficient(摩擦係数) |
Research Abstract |
1.起動摩擦測定用装置の試作 電気機械式万能試験装置を用いて、静止状態から動摩擦状態に遷移する過程(起動摩擦過程)における摩擦力および負荷荷重の変化が測定できる試験治具を設計試作した。そして、同試験治具を用いてステンレス合金(SUS316)同士の組合せで摩擦実験を行い、摩擦係数と相対変位の関係を検討した。この結果、記録された摩擦係数の大きさは従来より報告されている静止摩擦係数の値とよく一致していることを確かめた。 2.セラミックス同士の起動摩擦測定 試作した試験治具を用いてセラミックス同士を組み合わせ、常温での摩擦係数と相対変位の関係(摩擦挙動)を検討し、静止摩擦係数と動摩擦係数を評価した。このとき、表面あらさを変化させ摩擦挙動に及ぼす表面形状の影響を検討した結果、表面が平滑な場合のほうが、静止摩擦、起動摩擦ともに小さくなることを確かめた。また、表面の平滑化によって、静止摩擦と動摩擦の値の差が小さくなることがわかった。 3.摩擦挙動に及ぼす相対変位速度の影響に関する考察 静止摩擦係数と動摩擦係数の相対変位速度依存性について、相対変位速度を比較的広範囲(0.005mm/min〜10mm/min)に変化させ測定した。得られた結果にJunction Growth等の接触問題に関する既存の解析手法を適用し、接触面の変形挙動やセラミックス同士における凝着摩擦係数を評価した。この結果、巨視的すべりに移行するのに要する相対変位の大きさは、既存の解析手法から予想される値にほぼ一致することが確かめられた。
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